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Adobe、2023年上半期の動画製品アップデートを発表――Premiere Proで文字起こし編集や異なるカラーベース素材の組み合わせサポートなど

 アドビ(Adobe)は、2023年上半期に実施される動画関連ソフト(Adobe Premiere Pro、AdobeAfter Effects、Frame.io)のアップデート情報を公開した。Premiere Proでは、字幕(文字起こし)に関する新機能や、数種類のカメラを組み合わせた動画作成がより簡単に高品質化できる機能などが追加される。

Premiere Pro

文字起こしベースの編集

 Premiere Proでは、自動で生成される動画の文字起こしから、それをベースに動画編集できる機能が5月に登場する。

 AdobeのAI機能「Adobe Sensei」の技術が活用されているもので、バックグラウンドで動画内の文字起こしが生成される。

 その後、文字起こしのコピー&ペーストなど、テキストの編集方法と同じような操作やショートカットで動画を編集できる。

自動トーンマッピング機能

 数種類のカメラで撮影したものをつなぎ合わせる場合、素材に応じて調整が必要だったが、「自動トーンマッピング機能」(2月に搭載済み)を使えば、異なるカラーベース同士の動画でも整合性の取れたもので編集できる。

 たとえば、iPhoneの「HDR撮影」やソニーの「S-Log」など、機材ごとに異なるカラーベースでの撮影であっても、自動的に整合性のとれた高品質な色域で表示され、そのまま編集できるようになる。

 「Premiere Pro」では、このほかにもタイトルとグラフィックの一括編集機能や、GPUの高速化など、ユーザーからの意見を取り入れた新機能や機能改善が図られている。

After Effects、Frame.io

After Effectsのプロパティ機能

 「Adobe After Effects」では、新たにプロパティパネルが登場し、さまざまな設定に瞬時にアクセスし調整できる。

 また、広い色域をサポートする「ACES」カラースペースや、「OpenColorIO」カラーマネジメントシステムをサポートすることで、フォトリアリスティックな映像作成を実現できるほか、ほかのアプリとの素材受け渡しが発生しても、カラーの整合性がとれた状態で作業できるようになる。

 「Frame.io」では、新たに電子透かしを用いたセキュリティ機能や、映像だけでなく静止画(RAW画像も)をサポートする。対応するカメラは、富士フイルムの「X-H2S」と「X-H2」で、スチル撮影(RAFJPEG、TIFF、HEIF)とビデオ撮影(8K ProRes、HEVC、H.264)をサポートし、撮影したものを瞬時に取り込むことができる。

 加えて、クラウドサービス「Capture One Cloud」とも接続できるため、クラウド上にすぐに取り込むことができるようになる。