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KDDI髙橋社長、ソフトバンクとのデュアルSIM予備回線は「数百円レベルで」

 KDDIの髙橋 誠代表取締役社長は2日、決算会見の席上で同日午後に発表したソフトバンクとの通信障害対策となるデュアルSIMサービス(3月下旬以降開始)について「オプションとして数百円程度で提供したい」と語った。

 しくみとしては、KDDIの場合、ソフトバンクから回線を卸してもらっているという。

 新サービスを「法人におけるBCP(事業継続プラン)のような、保険のようなもの」とする髙橋氏。できるだけ多くのユーザーに利用してもらいたい、という考えがあり、予備回線として提供されるデュアルSIMサービスの料金は、「基本料が数百円程度、非常時には従量課金で少し高くなると思う」と料金のイメージを描いた。

 サービスの詳細は、別途案内される予定だが、SIMについては、物理SIM、eSIMどちらもサポートされる予定。

他社との状況は

 髙橋氏は「2022年7月の障害で気づいたのは、『代替手段がない』ということ。かつては街中に公衆電話があり、自宅には単身世帯でも固定電話があった。しかし、今はスマホだけで生活している人が多い」と環境の変化を指摘する。

 大規模障害を踏まえ、事業者間ローミングの議論が進められる一方で、ソフトバンクの宮川潤一社長がデュアルSIMのアイデアを披露したことを踏まえ、KDDIから声掛けするかたちで検討が始まったという。

 「トップレベルでお願いしにいって、宮川さんとぜひやろう、と非常に早く進み、年度内での提供で合意した」と、ソフトバンクとの交渉が順調に進んだと髙橋氏は語る。

 その一方で、ドコモは声をかけているものの、いつ実現できるかはまだ決まっておらず、「回答できる内容がない」とした。

 楽天モバイルについては、KDDIからは声をかけていないという。この背景には、楽天モバイルのサービスがまだ整備途上にあるという点がある。KDDIがauのサービスエリアを楽天ユーザーが利用できるローミングサービスが提供されており、髙橋氏は「(楽天の)エリアが広がってくれば、同じようなことを実現できると思う」とした。

 また、MVNOとの交渉は、「まだ話していない」とした。