ドコモがYKK APと“電波の窓”、通信のしやすさと高断熱化を両立

　NTTドコモは、エアロゲル素材を用いた“電波の窓”の実証実験を開始した。同社は、電波品質の改善と高断熱化を両立する住宅・オフィスの実現に向けた実験検証をYKK APと進めており、今回の実験はその一環となる。

エアロゲル素材を用いた“電波の窓”の試作

　近年では、住宅・オフィスの高断熱化に伴い、性能の高い断熱材や窓ガラスの多層化などの普及が進む。一方、携帯電話のデータ通信などで用いられる高周波の電波が屋内へ入りにくくなるという課題もある。

　そこで、“電波の窓”により先述の課題の解決が図られる。“電波の窓”は、住宅・オフィスの天井や壁などの住宅パネルを部分的に切り取り、切り取った部分に電波が通りやすい素材を埋め込んだもの。高性能断熱材として知られるエアロゲル素材が用いられる。

　“電波の窓”に関する実証実験は神奈川県横須賀市にある「ドコモR&Dセンタ」の大型電波暗室で実施され、電波に関する透過特性などが検証される。

住宅パネルの透過特性の測定の様子

　役割分担として、ドコモは電波透過特性の測定や、構造の電波シミュレーションなどの評価を担う。YKK APは、天井や壁、窓などのサンプル住宅構造モデル、住宅測定環境を提供する。

　今回の取り組みは、2月2日からオンラインで開催される「docomo Open Houseʼ23」で紹介される予定。