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経産省、IoT技術を活用したサプライチェーン効率化および食品ロス削減に関する実証実験を開始

 経済産業省は、同省委託事業「令和4年度流通・物流の効率化・付加価値創出に係る基盤構築事業(IoT技術を活用したサプライチェーンの効率化及び食品ロス削減の事例創出)」(委託事業者:日本総合研究所)において、サプライチェーンの効率化および食品ロス削減への効果を検証する実証実験を開始した。

実証実験の概要

 商品の入荷時に二次元バーコード「GS1 DataMatrix」が印字されたラベルを貼り付け、ラベルの発行データをダイナミックプライシングの専用ツール「サトー・ダイナミック・プライシング・ソリューション(SDPS)」に取り込むことで、賞味・消費期限別の在庫状況を可視化する。

 SDPSは、価格改定ルールに基づき、1日複数回、在庫状況を踏まえて自動で価格設定を行う。設定された価格は、電子棚札とPOSシステムに自動連携され、消費者は電子棚札に表示された賞味・消費期限別の金額を確認・選択したうえで商品を購入する。

 実験結果を踏まえ、サプライチェーンの効率化および食品ロス削減への効果について検証する。

 なお、「GS1 DataMatrix」のPOSレジでの読み取りは、本実証実験が国内では初の導入事例となるという。

 実施期間は2月26日まで、実施場所はまいづるキャロット浜玉店(佐賀県唐津市)、対象商品はパン。

背景

 流通・物流業において、少子高齢化・人口減少による人手不足や人件費の高騰のため、運営コストが高くなっている。

 また、古い商習慣をベースとしたルールが残っていること、サプライチェーン上の在庫情報などの可視化および、可視化されたデータの共有による効率化ができていないことを背景として、返品や食品ロスの発生のような問題が生じている。

 こうした状況を踏まえ、本事業では、IoT技術やデータを活用することで、サプライチェーン全体の効率化や食品ロス削減に資するような事例創出のため、複数の実証実験を行う。