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凸版、木目調や大理石調にもできる「5Gの電波を吸収する素材」

 凸版印刷は、軽く薄い「マルチバンド対応ミリ波吸収体」を開発した。5G対応アンテナに活用できるもので、表面を木目や大理石のようなデザインにでき、室内の天井や壁にも使えるという。

 今回開発されたマルチバンド対応のミリ波吸収体は、28GHz~300GHzという高い周波数(ミリ波帯)をサポートし、複数の電波を選択的に吸収するというもの。

 これまであまり活用されてこなかったミリ波帯は、一度に広い帯域を確保しやすく、高速大容量を目指す5Gサービスで28GHzがすでに用いられているほか、かねてより追加割当の候補に39GHz帯が挙げられている。その一方で、高い周波数帯のため、直進性が高くエリアを広げにくいほか、干渉や漏洩などが起きやすいという。

 凸版では、「電波吸収体の設計技術」「高精細なエッチング技術」「コンバーティング技術」を活用して、マルチバンド対応のミリ波吸収体を開発した。曲げにも対応したメタサーフェス構造で、波長1~10mmのミリ波のうち、吸収する周波数帯や帯域幅を自由に制御できる。電波を吸収することで、室内の5G電波を反射させず干渉を防ぐ。将来的には、6G(Beyond 5G)方式のテラヘルツ波向け吸収体にも応用できる。

 表面は、木目調、大理石調などを施せるとのことで、オフィスや工場建屋などの室内の天井、壁にも使える。