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DNPが「5Gの電波を吸収するシート」開発、干渉や漏洩防止に

 大日本印刷(DNP)は、5G用の周波数のうち、特定の周波数を選択的に吸収する「電波吸収シート」を開発した。

 電波吸収シートは、DNPが保有する微細加工技術を活用し、-15db以下の電波を吸収できる。5Gで用いられるミリ波か、Sub-6のどちらかを選んで吸収できる。

 材料や設計を工夫したことで、従来品よりも大幅に薄く、軽く仕上げられているほか、DNP独自のEBコーティング技術で、天候や傷に強く、屋外での利用にも耐えられる。

 5Gでは、4Gまでと比べ、ミリ波(日本では28GHz帯)、6GHz帯以下の周波数を意味するSub-6(サブシックス)と呼ばれる高い周波数を用いる。高い周波数は、これまであまり活用されておらず、その分、多くの帯域幅を確保できるが、ビルの陰などには回り込みづらく、たとえば都市部では、狭い場所でも多くの基地局が必要になる。
 しかし、場所によっては、基地局同士が近くなり、電波が干渉する可能性も高まるほか、「このエリアだけカバーしたい」と考えても、そこから電波が漏れ出てしまうこともある。

 こうした状況で、電波吸収シートを用いることで、特定の電波を吸収して遮ることで、意図した通りのエリア設計を実現しやすくなると見られる。DNPでは、木目調のデザインも利用できるようにしており、屋内などでも活用しやすくした。今後、実験を進めて、2023年までに製品化を目指す。