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「ポケトーク同時通訳はスマホ版も開発中」、新製品発表会で語られたこと

 ポケトークは12日、AI通訳ソフトウェアの新製品として「ポケトーク同時通訳」を発表した。Windows、MacOS向けの製品で、今冬に提供される。同日に開催された事業戦略・新製品発表会には、同社代表取締役社長の松田憲幸氏が登壇した。

松田氏

 ポケトークが掲げるミッションは「言葉の壁をなくす」。2017年にソースネクストが通訳デバイス「ポケトーク」の初代モデルを発売し、2022年1月にはパソコン用のソフトウェア「ポケトーク字幕」をリリースした。

 2022年2月1日には「ポケトーク株式会社」が設立され、同年4月に「ポケトークアプリ」が登場。ハードウェア、ソフトウェアの両方で製品をラインアップする。

 松田氏は、新型コロナウイルスの流行に伴い、訪日外国人旅行者数や出国日本人数が減少してきたことについて言及。今後の規制緩和によって「観光産業は非常に盛り上がっていく」とし、ポケトークとして観光産業の支援を実施していきたいとコメントした。

 ポケトークは、国内のみならず、グローバル向けにも展開を進める。移民の数と割合が増加し続ける米国では、たとえば運転免許センターなどでも導入されており、「ポケトークが社会インフラとして使われている」(松田氏)。

 また、ウクライナ大使館や、ポーランドの避難民に対し、ポケトークを寄贈する取り組みも実施された。

 日本国内に目を移すと、労働力人口の減少が大きな課題となっている。しかし、ポケトークの調査によれば、コミュニケーション面での不安などを主な理由として、外国人労働者の雇用に積極的ではない企業も多いという。また、ビジネスパーソンにとって、「言葉の壁」も大きな負担となっているようだ。

 こうした背景のもと、今回の新製品「ポケトーク同時通訳」が発表された。Windows、MacOS向けの製品として今冬発売される予定で、英語から70の言語に対し、音声とテキストによるリアルタイムの通訳に対応する。

 「ポケトーク同時通訳」は、ビデオ会議などのオンライン通話だけでなく、対面での会話や動画視聴にも使えることを特長としている。

 「ポケトーク同時通訳」はパソコン向けのソフトウェアとして提供されるが、スマートフォン版のサービスについても、「プロジェクトにはすでに着手している。半年~1年の間でそういったものを出せればと思って頑張っている」(松田氏)。

 また、松田氏は、米NASDAQへ上場する構想にも触れ、「ポケトーク」を通じてさまざまな「言葉の壁」をなくしていきたいと語った。