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EU、スマホなどの充電を「USB-C」統一に決定

 欧州議会は、スマートフォンやタブレットなどのモバイル機器の充電端子をUSB Type-C(USB-C)に統一することを決めた。猶予期間を経て、2024年末までにEU内で発売される製品へのUSB-C対応が義務化される。ノートパソコンも2026年春以降、対象に含まれる。

 6月に欧州委員会の提案を踏まえ、EUと欧州議会では暫定的な合意に至っていたが、10月4日の欧州議会本会議において、賛成602票、反対13票、棄権8票という結果で、モバイル機器へのUSB-C対応を義務化する法律が採択された。

 義務化の狙いは、廃棄物削減や、消費者が持続可能性のある選択、あるいはメーカーに縛られない選択をできるようにすることが挙げられている。

 どのメーカーの製品であっても、携帯電話やスマートフォン、タブレット、デジタルカメラ、ヘッドホン、ハンドヘルドのゲーム機、ポータブルスピーカー、電子書籍リーダー、キーボード、マウス、ポータブルナビ、ノートパソコンがUSB-C搭載の義務が課される。

「抜け穴を塞いできた」

 義務の対象となる製品の多くでは、すでにUSB-Cへ対応しているものも多い。一方、グローバルで展開するメーカーでは、アップル(Apple)の「iPhone」シリーズは頑なにLightning端子を採用しており、2022年9月に発表された「iPhone 14シリーズ」でもLightning端子となっている。同じアップル製品でも「iPad」ではUSB-Cが採用されており、今後発売される「iPhone」で対応するかどうか、注目が集まる。

 欧州議会の会見では、「EUの消費者に向けて販売するのであれば、ルールに適合しなければならない」とコメント。EU圏内だけではなく、圏外の製品に多くの変化をもたらすと信じている、とした。

 なお、ワイヤレス充電のみ対応する製品に関する質問を受けた担当者は「独自規格の充電器を販売し続けたい企業は、最終的にワイヤレス技術だけで充電できる製品だけを市場に出す、という方向に進むだろう」と予測。

 「もし、独自規格のワイヤレス充電技術だけに対応する製品を提供する企業が、2024年以降、存在する場合、今回のように規格の統一を義務化することに取り組むだろう。有線充電を廃止し、メーカーが独自の充電方式により利益を上げ続けるために利用できる、すべての法的な抜け穴を塞ぐため、この1年、取り組んできた」と語った。