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HTCの「Desire 22 pro」発表会レポ、メタバース連携で「自分時間のためのスマートフォン」目指す

 HTC NIPPONは1日、Androidスマートフォン「Desire 22 pro」を発表した。価格は6万4900円~で、同社公式サイトで予約を受け付けている。

左=HTC 児島氏 右=同 川木氏

 価格は単体で6万4900円。「VIVE Flow」とのセットで11万4900円。また、購入者には「VIVERSE」で利用できる「マイルームPod」(1万2800円相当、数量限定)がプレゼントされるキャンペーンを実施する。

25周年のHTC

 発表の場には、HTC NIPPON 代表取締役社長の児島全克氏が登壇。VIVERSE内のアバターで呼びかけた後、実際に登壇した同氏は「未来への第1歩」としてメタバースや新製品「Desire 22 pro」を紹介した。

HTC 児島氏

 今年で25周年となるHTCについて、これまでマイクロソフトやグーグルと連携し、さまざまな製品を送り出してきたことに触れ、近年ではVRゴーグルの「VIVE」シリーズやメタバース「VIVERSE」を展開していることを紹介した。

 一方で「メタバースとは何ができるか、どんなものか、わかってる人はわかっているけどそんなによくわからないという人がほとんどではないか」とも指摘。その上で、メタバースを「新しい未来につながる可能性を秘めたコンセプト」とも語り、その将来性を強調。Desire 22 proとVIVE Flowとの組み合わせで、メタバースの普及を図りたい狙いを示す。

日本市場に向け新カラーやバンド対応も

 HTC NIPPON バイスプレジデントの川木富美子氏は、新端末「Desire 22 pro」の特徴を紹介。

HTC 川木氏

 「Desire 22 pro」は、グローバルですでに発表済みのものではあるが、日本市場へ投入するにあたりおサイフケータイに対応するなど、日本で求められる機能を搭載。川木氏は「日本独自機能の搭載は必須」とニーズに合わせた開発を行ったことを紹介した。

 このほかにも、日本限定カラーの「サルサ・レッド」が設定されているほか、グローバルで用意されていたダークオークとチェリーブロッサム(グローバルでは「ポリッシュゴールド」)の2色も合わせてラインアップされる。背面には流れるようなライン状のデザインが施されており、VIVE Flowとのコンビネーションを強調しているという。

 モバイルネットワークの対応については、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの各社で利用しやすいよう調整されている。。ミリ波以外の各社の主要周波数に対応しており、同社では「キャリアを乗り換える際も安心して使いやすい」とアピールする。

 ハードウェアとしては、4520mAhバッテリーを搭載しており最大15Wのワイヤレス充電やリバース充電にも対応しており、VIVE Flowを含めたデバイスへの給電もできる。

 カメラには64MPの標準レンズと13MPの広角レンズ、5MPの深度センサーを備えている。AI処理により被写体を認識し、最適な写真が撮れるようになっているという。

VIVE Flowとの連携で少し先の未来に

 「自分時間のためのスマートフォン」とコンセプトを紹介する川木氏。「新しい体験を提供できる、少し先の未来につながるスマートフォン。『未来のスマートフォンの1歩手前』にある未来につながるスマートフォン」と新しい時代への橋渡しとなるデバイスであることを説明する。

 最大の特徴としてアピールされているのは、同社のVRグラス「VIVE Flow」との連携。Vive Flowと接続すると、Desire 22 proをコントローラーのようにして利用できるようになっている。

 MiracastとHDCPライセンスに対応しており、動画配信サービスの映像をVive Flowに映し出して鑑賞するといった使い方が想定される。また、Desire 22 pro本体のディスプレイも120Hzのリフレッシュレートに対応しており、ゲーム用途でも力を発揮できるとした。

 川木氏は、これまでは実際にその場所に行き体験をするというスタイルが一般的だったが、今後はどこにいても楽しめる新しいスタイルがDesire 22 proとVive Flowの組み合わせで実現できるとも説明。エンタメ以外にも、仮想通貨の「VIVE Wallet」も搭載しており、NFTのマーケット「VIVE Market」でショッピングができるようになっている。

 さらに、「これまで何を揃えればメタバースが体験できるかよくわからなかった」と指摘した上で、Desire 22 proはメタバースへの入り口となるアプリケーションが揃っており、初心者も気軽にその世界を体験できることを説明した。

今後も継続してスマホ投入したい考え

 今回の日本市場へのスマートフォン投入は、同社にとって「U12+」以来、4年ぶりとなる。グローバルでは製品を発表していたものの、長らく日本市場への投入は見送られてきた。

 児島氏は「日本ではハイエンドを求められる。その中で、日本向け機能を搭載してかつ、MWCで発表したVIVERSEで新しい世界を見ていただきたいというタイミングがやってきたということで日本でも(新スマホを)発表させていただいた」とコメントした。

 当初の販路としては、同社公式サイトから始まる。かつてHTC製のSIMフリースマートフォンを販売していた公式オンラインショップ「HTC e-shop」は2021年3月末で閉店したが、VIVEシリーズの販売ページでスマートフォンも合わせて販売していくかたちになるという。

 4年ぶりのスマートフォンとなる今回、ユーザーが安心して購入できるかどうか、という点で気になるのはサポート体制だ。しかし、今回のプレゼンテーションや質疑では、そうした点に触れられることはなかった。

 児島氏の言の通り、同社からふたたびハイエンド端末の登場を望む声もある。これについて「(ハイエンドの製品化は)めっちゃ悩みどころ」と語る。各社のハイエンドモデルの高価格化や円安の影響が重なっており難しい状況が続いているようで、具体的な計画などについては「まだ決まっていない」とするに留めた。

 ハイエンドではないにせよ、今後もHTCのスマートフォンが登場するのか気になるところ。児島氏は「(その考えは)もちろんあります」と即答。今後もスマートフォンを継続していきたい意向を示した。