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オペレーター1人で多数のドローンを運航、KDDIとJALが共同で実験

 KDDIと日本航空(JAL)は、ドローンの社会インフラ化にむけ、1人の操縦者が複数のドローンを運航する「1対多運航」を実現する技術開発に共同で取り組む。

実証実験のイメージ

 両社は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が推進するプロジェクト「次世代空モビリティの社会実装に向けた実現プロジェクト」における、「ドローンの1対多運航を実現する機体・システムの要素技術開発」へ提案を行い、8月9日に採択されたことを受けて本取り組みを実施する。

 KDDIとJALは2022年2月に協業提携し、複数のドローンを統合的に運航管理する体制や、企業・自治体向けドローンの活用支援のビジネスモデルに共同で取り組んでいる。

 今回の取り組みは、KDDIとKDDIスマートドローンが共同開発中の、ドローンの遠隔制御・自律飛行を実現する運航管理システムに、JALが培ってきた空の移動に関わる安全管理・運航管理などのオペレーションなどを組み合わせ、ドローンの「1対多運航」を可能にする飛行制御システムの開発を進め、日本各地における実証を実施する。

 複数ドローンの飛行に対応するシステムやオペレーション要件の検討、1対多運航に対応する飛行制御システムの開発、飛行実証における許認可取得などに両社で取り組む。具体的なユースケースとして、物流および警備でのドローン利用を想定し、実証実験を行う。

物流ユースケース

 鹿児島県大島郡瀬戸内町を起点に、本島および二次離島などで物流需要のある地点をピックアップし、ドローンの航行距離やルートの効率性などを検討した上で、自律運航による実証を行う。

 実証により、1対多運航を実現するために必要な安全性評価手法や、オペレーション要件、1対多運航を行う上での事業費用や損益分岐点について検証する。

警備ユースケース

 1対多を前提とした施設警備を想定し、1人のオペレーターが管制宅から複数台の警備ドローンを制御し、広域巡回警備および巡回中の緊急時対応を検証する。

 広域施設/設備を警備対象として選定し自動航行で実証を行うが、具体的な実証場所およびルートは、物流実証と連携し、事業開始後に決定する。

 実証により、1対多の巡回警備運航や、1対多運航下における突発的な運航変更(不審者追跡など)、1体多運航時における、他事業者運航機体との干渉時対応などを検証する。