ニュース

アップル、「watchOS 9」を発表――睡眠ステージ判定や服薬サポートなど

 アップルは、WWDC 2022において「watchOS 9」を発表した。Apple Watch Series 4以降に向けて今秋にも提供される。

文字盤でアップデート

 watchOS 9は、Apple Watch用の最新OS。文字盤がアップデートされ、グレゴリオ暦と太陰暦の関係を表現した「ルナー」、地球を表示して世界中の雲量も表現する「アストロノミー」、アーティストのJoi Fulton氏がデザインし、時刻を表す数字がキャラクターになる「プレイタイム」、デジタルクラウンを回すとフォントが伸びる「メトロポリタン」を利用できる。

 「パーソナル」集中モードの間は「写真」の文字盤を表示するなど、ペアリングしているiPhoneで特定の集中モードを開始すると、Apple Watch側に自動的に表示される文字盤を選べるという。

 このほか、Apple Watch Series 7のキーボードで新たに日本語が利用できるようになる。通知のデザインも変更され、Apple Watchの使用中には細い表示で集中を妨げないかたちになった。

トライアスロン用モードなど追加

 ワークアウトモードでは、測定時にリュウズのデジタルクラウン(Digital Crown)を回すと読みやすいワークアウト表示に切り替えて重要な指標を確認できるようになるほか、トライアスロン選手向けにスイミング、サイクリング、ランニングが自動で切り替わる「マルチスポーツ」を追加。

 「心拍数範囲」でワークアウトの強度を確認できるようになり、「カスタムワークアウトモード」では、運動と休憩のインターバルを組み合わせたワークアウトを作成できるようになる。

 スイミング機能は強化され、ビート板を使って泳いでいることを自動認識できるようになり、ランニングでは「歩幅の長さ」や「接地時間」「上下動」などの指標が追加された。さらに過去の自己ベスト記録などとも競争でき、コースから外れた際にも通知を受け取れる。

 「Apple Fitness+」との連携もさらに強化され、トレーナーのコーチングに加えてガイダンスがFitness+の画面上に表示されるようになる。

心房細動のケアや睡眠ステージ判定、服薬サポートも

 睡眠モニタリングでは、睡眠ステージが加わり、より詳しい情報を確認できるようになる。加速度センサーと心拍数センサーの情報からレム睡眠、コア睡眠、深い睡眠のいずれかの状態を検知でき、ヘルスケアアプリのグラフで睡眠時間や心拍数、呼吸数なども振り返ることができるという。

 また、心房細動と診断されると、FDA(アメリカ食品医薬品局)認可の心房細動履歴機能が有効になり、心房細動の調光が現れた頻度などの情報を確認できるようになる。毎週届く通知でその頻度を把握したり、ヘルスケアアプリから心房細動に影響する可能性のある睡眠やアルコール摂取量、運動などの生活習慣関連因子を含む情報を確認したりといったこともできる。

 さらに、ユーザーがリストを作成すると服薬のスケジュールとリマインダーを設定でき、薬の服用タイミングを目立たないかたちで手軽に確認できるようになる。米国の場合、ヘルスケアアプリに登録した薬の間で重大な相互作用を引き起こす可能性がある場合、ユーザーに通知される。

 watchOS 9の開発者向けベータ版は本日から、ユーザー向けパブリックベータ版は7月から提供され、一般向けには、iOS 16を搭載するiPhone 8およびiPhone SE(第2世代)以降とペアリングするApple WatchSeries 4以降を対象に今秋提供の予定となっている。