ニュース

Google Payは「Google Wallet」へ、免許証や接種証明などもデジタル化

 米グーグル(Google)は、Androidスマートフォンなどで利用できる「Google Pay」を「Google Wallet」にリニューアルすると発表した。日本を含む40カ国以上で今夏リリースされる。

デジタルウォレットとして、セキュリティも確保

 「Google Wallet」は、財布の中身をデジタル化する「デジタルウォレット」を目指しているという。

 グーグルのプロダクトマネージャー、ドンミン・キム氏によると「以前はカメラを写真を撮るために持ち歩いていたが、写真を撮る機能がスマートフォンに統合されたため、両方を持ち歩く必要はなくなりました。デジタルウォレットでは、これを財布や鍵などの機能を有することになり、持ち運ぶ荷物が減る」という。

 一方で、セキュリティ面にも気を遣っているという。「Google Wallet」では、端末のカード情報を第三者の端末に追加されないよう認証を行っているほか、金融機関はカード追加の際に本人確認を行うことや、端末を紛失した場合は「端末を探す」機能から遠隔操作で端末の位置情報を確認したり、端末ロックを実施できる。

財布にはできない便利な機能

 「Google Wallet」にはできて「リアル財布」にはできない機能として、さまざまな通知機能と連携機能がある。

 たとえば、飛行機の搭乗券を登録しておけば、遅延やゲート変更の通知が届いたり、コンサートのチケットを登録すれば、事前に端末に通知が届き、保存したチケット情報を通知してくれる。

 また、Googleマップとの連携機能では、ルート検索すると、そのルートで利用できる交通系カードと残高がいっしょに確認でき、残高不足の場合はそのままチャージできる。

Googleマップの検索結果から交通系カードをチャージ

 一方で、ワクチン接種記録やワクチンパスなどの個人情報は、端末上で保存され、ユーザーの許可なくグーグルと共有されることはない。

 クレジットカードやデビットカードを紛失し、再発行を待っている状態でも、「Google Wallet」のカードには別の番号が割り当てられているため継続して利用できる。

 なお、一部の国で提供されているデビットカードや銀行口座からの送金機能は、引き続き利用できる。

これまで通りGoogle Payの支払い機能は利用できる

 なお、Google Payが利用できる加盟店では、「Google Wallet」に登録したカードで引き続き利用できる。

 グーグルでは、数百の交通機関や小売店、プレイガイドや医療機関、航空会社と連携しており各社のカードやチケットをデジタル化できる。今後は、デジタル身分証明書やオフィス/ホテルの鍵など、追加できるコンテンツの種類を増やしていくという。

すべてのデベロッパーに機能開放

 なお、デベロッパー向けには、チケットをデジタル化できるテンプレートを用意しているほか、デベロッパー独自のデジタルパスを発行することもできる。

 Androidのデベロッパーであれば、誰でもウォレットを使用し開発できる。ウォレット機能が一部使えない端末でも、QRコードやバーコードを使うことができ、より多くの端末でアクセスできるようになっている。

 グーグルでは、端末で搭乗券やワクチン接種証明のスクリーンショットを撮影すると、直接「Google Wallet」に追加できるオプションの提供を開始した。

 今後も「Google Wallet」との連携がより簡単になる方法を研究するとしている。