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ドコモ、5G活用しエクモカーと病院をつなぐリアルタイム映像伝送システムを提供開始

 NTTドコモは、5Gを活用した遠隔医療の実現を目指して、エクモカーと病院間を繋ぐ高精細リアルタイム映像伝送、および双方向音声伝送システムを、千葉大学医学部附属病院に提供し、同病院では2月1日からシステムの運用を開始する。

 本システムをエクモカーに設置することで、救急搬送時においても、質の高い医療サービスの提供やオペレーション効率化が可能となり、救急現場における医療従事者の負担を軽減することができる。

システムの概要

システムの概要

 同システムは、エクモカーに高精細リアルタイム映像伝送システム「LiveU」と映像・音声配信クラウドサービス「Zao Cloud View」を搭載し、ドコモの5G/4Gネットワークを通じて搬送中の患者の映像やバイタルデータを送信する。

 最大で4つの映像を病院へ同時に送信し、病院側では1つの画面で全ての映像を確認することができる。これにより、搬送中においても接続先の病院から高精細な映像を確認しながら、適確な指示を受けることができるため、効率的かつ早期に患者への処置が可能となる。

 また、録画・録音機能を利用することで、救急搬送時の状況や処置内容を研究データとして蓄積でき、今後の救急医療現場の改善にも役立てることができる。エクモカーから搬送状況などの高精細リアルタイム映像伝送を行うことは、国内初の試みという。

 システムで出力する映像は、バイタルデータ映像、LiveUの映像として後方部および上部から撮影する車内映像、サーモグラフィーデータ、超音波データ。使用する主な映像機器・サービスは、LiveUとZao Cloud View、ネットワークはドコモの5G/4G回線を利用する。

今後はDMATカーへの搭載も

 ドコモは、高度な遠隔医療の実現を目指し、2020年10月から「5Gを活用した映像伝送ソリューションの医療機関向けモニタープログラム」を開始し、さまざまな医療機関の参画のもと、取り組みを進めてきた。

 今後、千葉大学病院では、本システムの活動範囲を災害発生時に対応するDMATカーへ広げるなど、新型コロナウイルス感染症の患者対応以外にも、幅広く本システムを活用する検討を進めるという。