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ドコモ、「IPv6シングルスタック方式」を2月1日から提供へ

 NTTドコモは、同社の端末にIPv6アドレスのみを割り当てる「IPv6シングルスタック方式」を2月1日から提供する。

 「IPv6シングルスタック方式」は、IPv6アドレスのみを端末に割り当てる方式のこと。IPv6サイトやIPv6サービスを利用する際にはIPv6アドレスで通信し、IPv4サイトやIPv4サービスを利用する際には交換局でIPv4アドレスに変換して通信する。

 これまでドコモでは、端末に対してIPv4アドレスとIPv6アドレスの両方を割り当てる「IPv4/IPv6デュアルスタック方式」を提供していた。2月1日以降は、対応端末に順次「IPv6シングルスタック方式」を提供する。

 対応端末は、同社のスマートフォンやデータ通信端末など31機種。対応端末は順次拡大される見込みで、2022年4月以降に発売される同社端末は、すべて今回の方式へ対応する予定。

対応端末
AndroidSH-51A、SO-51A、SC-51A、SO-52A、SC-54A、2021年夏以降のモデル(SO-41B、KY-41Bを除く)
iOSiPhone 12以降のモデル(OSバージョン:iOS 14.5以降)
ホームルーターHR01
データ通信端末2020年夏以降の5G対応モデル

 ドコモでは、「本方式の開始後もお客さまの通信には影響がなく、これまでどおりご利用いただけます。また、お客さまによる設定変更や申し込みも必要ありません」としている。また、今回の提供開始により、IoT機器の増加や5G普及に伴ってIPv4アドレスが世界的に不足している事態への対処を図る。

ドコモ広報の回答

IPv6導入による、コンシューマー側のメリット・デメリット

 直接的なメリットはないものの、ネットワーク構成がシンプルになるため、安定した通信を提供できるようになり、故障が少なくなる。そのため、5G・IoT時代に向けてデバイスが増えた際に、ユーザーに安心して利用いただける。

 デメリットに関して、IPv4のみ対応のアプリケーションやサービスに対しても、ドコモ側でIPv6/IPv4の変換を行うため、通信への影響はない。そのほか、料金への影響やユーザー側での設定など、ユーザーへのデメリットは発生しない。

通信速度の変動や遅延の有無について

 通信速度などに関して、差分は発生しない想定。

IPv6の仕様について

 IPv6はグローバルアドレスになる。また、一時アドレスでの提供となり、付与されたアドレスが変動するのは、電源のオンオフや圏外から圏内に移るタイミングなど(今までと同様)。

一部MVNOなどにおける、バッテリー消費の増大などの影響は

 現時点でMVNOは、IPv6には対応していない。また、ドコモのユーザーについてもバッテリー消費の増大などはない。

過去機種含む今後の対応計画

 現時点では公開した端末のみの対応となるが、ユーザーのニーズや市場動向を踏まえて今後も検討を進めていく。