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JR東日本、Suicaのビッグデータを分析した「駅カルテ」

 JR東日本は、Suica利用データを集計し、統計情報を駅ごとにまとめた分析レポート「駅カルテ」を作成した。

 駅ビルのマーケティングなど、JR東日本グループのサービス向上に活用するほか、自治体をはじめとした社外への販売を今後検討するという。

「駅カルテ」の概要

 「駅カルテ」は、毎月のSuicaの利用データを集計し、JR東日本の首都圏約600駅の各駅について、その利用状況を分析したレポートで、フォーマットはPDF形式。

 時間は1時間単位、年齢は10歳単位で集計し、平日と休日別に1カ月の平均値を表示する。集計の単位は50人で、30人未満は非表示とする。

 駅カルテは、駅ごとのSuica利用者数を時間帯別・性別・年代別に表示するほか、利用状況に基づき、住宅、オフィス工場、商業、観光、学園の5つの駅タイプを点数で表す。

 また、対象駅と行き来が多い駅について、地図上に表示するほか、上位20駅について行き来の件数をデータ表示する。

「駅カルテ」作成の経緯

 JR東日本では、2013年に「Suicaに関するデータの社外への提供」を検討したが、多くの利用者から個人情報の保護や消費者意識に対する配慮に欠けているのではないかという批判があがったために提供を中止した。

 その後、有識者会議を開催し、2014年2月に「中間とりまとめ」を、2015年10月に「とりまとめ」をそれぞれ受領して有識者からの意見を踏まえた上で、厳格なデータ管理を徹底しつつ、統計情報の社内での活用促進、公益目的の提供、除外手続きの継続などの取り組みを実施し、これらの内容を自社のWebサイト上で公表してきた。

 今回、統計情報のさらなる活用を目的に、統計情報の定型レポートとして「駅カルテ」を作成したという。

「駅カルテ」でのデータ使用を希望しない場合の手続き

 JR東日本では、これまでも自治体などへ分析レポートを提供する際に、データ使用を希望しない利用者について、集計から個別にデータ除外する対応を行っており、「駅カルテ」の作成にあたっても、引き続き同様の対応を行う。

 Webサイトからは、SuicaのSuicaID番号を入力することで除外の手続きが行える。