ニュース

KDDIとノキア、AI制御と液冷技術で基地局電力削減の実証実験

 KDDIとノキアソリューションズ&ネットワークスは、携帯電話基地局の電力使用を抑えることでCO2排出量の削減を目指す実証実験を実施する。本格導入は2023年頃。

 ノキアが提供する基地局制御AI「Nokia AVA Energy Efficiency」と基地局液体冷却技術「ノキア液体冷却方式AirScaleベースバンドソリューション」の2つを日本で初めて商用基地局へ導入するもの。

 AIで基地局ごとの季節変動などによるトラフィック量の変化を分析し、適切な時間帯やトラフィック量を判断、動的に電波を発射または停波する。KDDIとノキアの共同検証によると、トラフィック量が少ない環境では平均最大20%、基地局単位では時間帯によって最大50%の電力使用量が削減可能であったという。

 これに加えて導入される液体冷却技術はこれまでの空冷よりも冷却効率が高く、空調の電力使用量を削減できる。設備の発熱量と空調設備の性能数値を考慮するとおよそ70%で以上の電力使用量を削減できるとしている。

 基地局に関連する電力使用量は、KDDI全体の電力使用量の約6割を占めており、基地局の省電力化が重要な課題となっているという。各技術の効果検証とサービスへの影響を確認し、必要な追加開発や対象基地局を抽出、2023年頃の本格導入を目指すという。