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グーグル、第2世代「Nest Hub」を5月5日に発売、1万1000円

 グーグルは、スマートディスプレイ「Nest Hub」の最新モデルを5月5日に発売する。価格は1万1000円。

 同社のスマートディスプレイ「Nest Hub」シリーズの第2世代にあたり、スピーカーの音質改善や睡眠サポートが強化された。グローバルではすでに発表されており、日本に先行して北米や欧州の一部などですでに予約販売がスタートしている。

ディスプレイをより鮮やかに

 デザインは「エッジレスガラス構造」を採用。写真を見るのにNest Hubを使うというユーザーは多く、「エッジレスガラス構造」ではさらに写真が鮮やかに表示されるという。また、筐体の54%で再生プラスチックが用いられている。また、ファブリック素材においても水の使用量を低減する染色法が採用された。

 第1世代Nest Hubユーザーの20%ほどがベッドサイドでの利用という結果から、第2世代では、寝室での使い勝手を良くする機能が取り入れられた。

 「夜のおすすめ」では、寝る前にやりたいと思われることがすべて一画面で表示。明日の朝のアラーム設定やリラックスできる音楽をかけるなどが挙げられる。

 環境光センサーにより、ダークモードとの組み合わせでスクリーンの明るさやカラーを変化させ、睡眠の妨げにならないよう工夫されている。「めざましディスプレイ」は、反対にアラームが設定される時間に近づくと徐々に画面が明るい色になっていく。

 また、アラームが鳴ったら手をふるだけで解除やスヌーズにできる。

スピーカーの音質強化

 第1世代と比較して、スピーカーは低音域が50%ほど強化された。グーグルのカイータ・ジョンソン氏によれば、多くのユーザーがNest Hubを音楽鑑賞などに利用しており、今回の改良はユーザーからの要望に応えたものという。

 加えて、第2世代Nest Hubでは、「Pixel 4」でも搭載されたレーダー技術「Soli」を活かしたメディアコントロールに対応した。これにより、スクリーンにタッチすることなく、再生や一時停止などの操作を手をかざすだけでできる。

 またスマートホーム機能も強化。ユーザーインターフェイスを変更し、互換性のあるアプリのコントロールなどがしやすくなったという。加えて、マイクを3つ搭載。アシスタントの応答や雑音の中でも認識率が上がった。

 グーグルなどが主導するスマート家電などに向けた無線規格「Thread Radio」に対応。将来的に「Project Connected Home Over IP」の接続標準に準拠する。

睡眠機能を強化

 ジョンソン氏は、「睡眠をしっかり取りたい。そのための機能はないか」というユーザーの声があったことを紹介。調査の中で、世界的に睡眠が大きな問題になっていることを知ったという。

 多くのユーザーが、デジタルデバイスで睡眠の質を改善しようとしていることがフィットネス関連デバイスの売上から見てとれる。にも関わらず、睡眠関連のテクノロジーが定着していないのは、充電の忘れや使い心地の悪さ、有益と思えなかったといった理由があるという。

 そこで第2世代Nest Hubでは、ユーザーが何かをする必要のない手軽な睡眠トラッキングと快適な眠りの改善のサポートという2点を重視した機能が提供される。

 Soliにより、大きな体の動きから数ミリ程度の小さな動きまでを感知できるため、これを利用して、睡眠に入ったことや短時間ベッドから起き上がったことを認識する機能が利用できる。

 Nest Hubを使い始める際には、どれくらいの距離にいる人を感知するかという調整を行う。この操作のみで、睡眠の長さ、スケジュール、睡眠の質という3点を確認できるようになる。

 また、咳やいびき、毎分の呼吸数も検知、長期的に見て呼吸の状態がどのように変化しているかを確認できる。

 数千人の10万回分を超える睡眠データからアルゴリズムを開発し、この機能を実現したという。

 睡眠の状況はユーザーによりさまざま。寝室の環境や寝る時間などのパターンなど、個人に合わせたアドバイスが受け取れる。たとえば、就寝時間や睡眠時間が日によってバラバラだと、Nest Hubは「睡眠のスケジュールを一定にしましょう」というアドバイスを出すという。

 Google アシスタントの機能を使って、連携するスマート照明を就寝時間に合わせて暗くするなど、Nest Hubのアドバイスを実行しやすい環境も整えた。また、AIを活用し睡眠パターンを収集。理想的な睡眠時間をユーザーへ提案する機能も備える。

 Google Fitアプリから外出先でも簡単にNest Hubのデータにアクセスできる。

 Soliはあくまで、動きを検知するもので個人を特定することはないため、プライバシーの観点から安全だとしている。音声データも含めてデバイス上でのみ処理されており、睡眠データのみがグーグルに送信されるという。データについても、せきやいびきなども検知するか否かなどを設定でき、昨晩のデータも簡単に削除できる。

 Nest Hubを購入すると、来年まで睡眠モニターを無料で利用できる。その後の展開については無料サービスが継続するのか有料となるのか、現時点では検討中としている。

主なスペック

 ディスプレイサイズは7インチ。43.5mmのドライバーを使用するフルレンジスピーカーを搭載する。チップセットにはARM CUPのクアッドコア(1.9GHz)を搭載する。

 センサー類はSoliのほか、アンビエント EQ 光センサー、温度センサーを備えている。Wi-Fiは、IEEE 802.11 b/g/n/acに対応する。Bluetoothバージョンは5.0。Chromecastを搭載する。

 本体のサイズは、120.4×177.4×69.5mmで重さは558g。カラーバリエーションはチョークとチャコールの2色展開。