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武田総務大臣、auの「povo」通話定額なし“最安値”に「非常に紛らわしい」

 武田良太総務大臣は、15日の記者会見で、auの新料金プラン「povo」で、通話定額なしで2480円となり、条件の異なる他社と比べ「最安値」と表現したことについて「非常に紛らわしい発表だと思う」と語った。

武田大臣

――KDDIが20GBの新プランを出した。最安値をうたっているが、通話料金を含めると実質、ドコモ、ソフトバンクの料金と横並びだ。この最安値という表示方法についての大臣の考えと、結果的に携帯電話料金が横並びになっていることへの受け止めを教えて欲しい。

武田大臣
 非常に紛らわしい発表だと思う。先般、消費者庁の2大臣会合でもあったが、利用者がわかりやすく、選択しやすいやり方を求めてきた。

 最安値と言いながら、他社と結局同じ値段というのは、もっとわかりやすい手法をしっかり考えていただきたいというのが私の気持ち。

 「そのなかに通話料が含まれていない、それによって2480円」という料金なのか、「単に同じ条件で2480円」なのか。そこをはっきりしないまま、国民に対して500円安い2480円だったのか。すべて同じ条件と思わせるやり方については非常に残念だと考えている。

 以前から申し上げているように、選択しやすい、わかりやすいやり方をしっかりやっていただきたい。利用者が契約したとき、使ってみたときと条件が違うじゃないかというトラブルが起こらないよう、あらかじめしっかり丁寧な説明をして、無用なトラブル起こらない状況を期待したい。

【編集部注 2021/1/15 13:29】
 KDDIは、povoのサイトやプレスリリースで『最安値』という表記は掲げていない。13日の会見では髙橋誠社長が質疑で『「ベース料金は2480円、3キャリアで最安値を出していきたいと思った』とコメントした。

――料金値下げを求めてこられたが、大手3社から出揃った。乗換障壁も手数料無料化が打ち出されている。大臣から見て残された喫緊の課題は? 今の回答のように、広告表現、わかりやすさの部分なのか。

武田大臣
 一番大事なことは、ユーザー自身が今使っているものが、求めているプランなのか、あらかじめ自己検証していただくことだと思う。

 低廉な料金が登場し、競争は健全化されてきたが、最低価格で宣伝するのではなく、その価格の内訳に対しても利用者が納得できる、つまびらかにする条件を示していただきたい。そうしたことが今から重要になっていくと思う。

 事業者にとって良いことばかり示すのではなく、その内訳をわかりやすく使用者に示していただくことが重要になってくると思う。