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シフトールからネットにつながる電子メモ「Croqy」、20年度内に発売予定

 Shiftall(シフトール)は、CES 2021に出展する、インターネット接続可能な電子メモ帳「Croqy」(クロッキー)を12日、報道陣向けに公開した。2021年1~3月頃の発売を見込んでいる。希望小売価格は1万9999円(税込)。

シフトール 代表取締役CEO 岩佐琢磨氏とCroqy

スマホなどとも共有可能

 Croqyはインターネットに接続可能な電子メモ帳。付属のスタイラスペンで書いた文字や図形を別のCrokyと同期できる。また、専用のスマートフォンアプリを介することで、スマートフォン(Android/iOSデバイス)からも閲覧ができる。

Croqy本体
専用アプリ

 孫が書いた絵や文字を遠隔地に住む親戚に、手書きの温かみを持ったまま伝えたり、子どもが自宅で書いたメモを両親が出先のスマートフォンで確認・送信するなど、新しい手書きのコミュニケーションの形を実現する。

 表示部分は電子ペーパー。入力されたメモを常時表示させられる。1度の充電で約2カ月程度利用できる(1日10分程度の書き込み、30分更新の場合)。

 書いた手書きメモはパナソニックのクラウドサーバーに保管されており、ずっと前に書いたメモでもすぐに検索でき、紙のメモのようになくすことがない。

 アプリケーション、ネットワークの利用料は無料となる。

 本体の大きさは、130×80×13.5mmで重さは約160g。充電端子はmicroUSB端子で、充電用ケーブル、専用タッチペン、斜め置き用のスタンドが付属する。

手書きのメモにイノベーション

 パナソニックの子会社であるシフトールは、既存のカテゴリーの製品ではなく、新たなビジネス創出の先鋒を担うという。シフトール 代表取締役CEOの岩佐琢磨氏は、パナソニックのビジネスを現在ある鉱山の採掘だとすると、シフトールは「次の鉱山を探すこと」と例える。

 これまでも個性的な製品を手掛けている同社が注目したのは「紙のメモ」。紀元前からの歴史があるというメモだが、岩佐氏は「なくす、書き忘れる、覚えられない、返事ができない」といったデメリットがあると語る。

 こうした手書きメモの問題点を解決しつつ、手書きのメリットでもある「温かみ」を併せ持つのがQrokyだ。

 2台のQroky同士でメモを送り合えるため、遠隔地の高齢の親戚と孫とのコミュニケーションもスマートフォンを使うより簡単にでき、まだスマートフォンを持てない子どもや若年層でもスマートフォンを見る前にメッセージに気づけるという利点がある。

忘れ物タグやミストの新たな活用方法も

 「Seekit」(シーキット)は、もともとパナソニックのインド支社の製品。子どもの誘拐事件が社会問題化している同国に合わせたもので、タグとスマートフォンがBluetoothで通信。一定の距離が離れるとスマートフォン側に通知される。

 Bluetoothが切断されても、Seekitタグの近くにほかのSeekitユーザーがいれば、それら介して位置情報を確認し続けられるという特長を持つ。インドでは一般ユーザー向けに流通しているが、日本では法人ユーザー向けの展開を検討しているという。

 「シルキーファインミスト」は、気化しやすい細かなミストを噴射できるドライ型ミスト。直接当たっても衣服が濡れにくく、ミストの一般的な活用方法である暑熱対策に加えて演出や除菌など幅広い用途に対応する。

瞑想を体験できる部屋の内部。座るためのクッション以外は何もなく、ミストが噴射されてしばらくするとライトが点灯。幻想的な空間になるとともに瞑想の指示が天井のスピーカーから聞こえる

 光を反射させる演出用途にも利用でき、2月10日からはホテル アンテルーム京都(京都府京都市)において光とアロマを用いた瞑想が体験できる「(MU)ROOM」を実証実験の形で提供する。専用のセンシングデバイスとスマートフォンアプリを用いて瞑想スコアの確認やコメント、瞑想度合いの変化の確認もできる。

 実証実験の提供期間は9月30日まで。

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