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ソフトバンクが一挙「3ブランド」で新料金、その狙いとは
2020年12月22日 12:41
オンライン契約が2倍に
発表会冒頭、榛葉氏が触れたのは、ソフトバンクの実店舗と、オンラインショップでの現状だ。新型コロナウイルスの拡大もあり、オンラインショップでの取り扱いは、2倍に増えた。
そうした環境の変化を踏まえ、LINEモバイルを完全子会社化した上で、オンライン専用の料金ブランド「SoftBank on LINE(ソフトバンク オンライン)」として提供されるもので、その内容は「月額2980円(税抜、以下同)、20GB」というもの。NTTドコモの「ahamo」に並ぶ格好だ。
榛葉氏は「MVNOとしてサービスを提供してきた既存のLINEモバイルとは全く違う」と強調。今回のタイミングの背景には、2021年3月1日に(傘下でヤフー親会社の)Zホールディングスと、LINEが経営統合することがある。
ソフトバンクが提供することでの「同一品質」
そのタイミングにあわせて、LINEモバイルを100%子会社化するとのことで、LINEブランドのもとでの携帯電話サービスが「ソフトバンクのなかのひとつのブランドになる」と榛葉氏。
22日の発表会では、繰り返し榛葉氏が「ソフトバンクのもとでのブランド展開になる」と説明する場面があった。これは、武田良太総務大臣が今秋「メインブランドでの値下げ発表でなければ不親切」の影響にも見える。
榛葉氏は、LINEのブランドカラーをそのまま活用し、ネットでの申し込み限定になることと、LINEのサービス名をかけ合わせた「SoftBank on LINE」。榛葉氏は20GBという容量に加え、LINEの通信量がカウントされないという特徴も紹介。
そしてその通信品質についても「ソフトバンク、ワイモバイルと同様に同一品質になる」と述べ、ソフトバンク自身が提供するメリットを語った。5G回線も利用できるようになるが、端末がどうなるか、会見では触れられなかった。
LINEから申し込めるように
「SoftBank on LINE」では、オンラインで手続きを進める形。
だが、専用サイトに加えて、LINEとのタッグを象徴する取り組みとして、LINEのアプリ上で、そのまま簡単に申し込めるようになる。2021年3月に間に合うよう、現在、開発が急ピッチで進められているとのことで「他社が追随できない、大きなポイントになるのではないか」と榛葉氏は胸を張る。
榛葉氏は「iPhoneが登場してから12年。当時、中高生だった人は現在社会人になって、デジタルネイティブ世代が5G時代に広がる。そのなかで完結できるオンライン専用ブランドが必要になる」とその意義を語る。
ワイモバイル、600万契約に近づく
22日の発表会は、ワイモバイルの新料金プランも含まれている。
新たに発表されたプランは、2021年2月から提供される「シンプルS/M/L」という3つのプランだ。
「600万ユーザーに近づいている」(榛葉氏)と順調に契約数を伸ばすワイモバイルブランドでの新プランは、10月に発表された「シンプル20」を今回、「シンプルL」に改称し料金を下げたほか、さらに低容量のプランを用意した格好だ。
そして特徴のひとつには、固定回線のセット割や、家族との利用での割引が適用されることがある。さらに5Gも利用できるようになる。
期間限定の割引は「提供しない」
榛葉氏は、ワイモバイルブランドの料金提供のなかで、「まずはお試しとして、6カ月間、1年間、あるいは行き渡るまでの間、割引していたことがあった。今回はそういうものが一切ない」と説明。わかりやすさを追求し、カタログを見なくても選べる料金に仕立てたという。
ソフトバンクブランドは無制限に
ソフトバンクブランドでは「メリハリ無制限」が発表された。
使い放題で月額6580円となり、こちらも固定回線とのセット割や、家族加入での割引が提供される。
ドコモのプレミア料金プランと同等の設定だが、大きな違いは4Gでも5Gでも同じ料金という点。また、ドコモの「5Gギガホ プレミア」より70円安い。
2021年が5G元年
榛葉氏は「2020年に5Gが始まった。しかし全国津々浦々で使えるようになるのは2021年で、来年が5G元年になる」と語る。
3つのブランドで幅広い料金をラインアップした今回、同氏は「いろんな年代の方、ライフスタイルに、明確なブランドでお届けする。ウイズコロナの時代、オンラインで手続きできるkたは20GBで2980円、大容量や使い放題ならソフトバンクブランド。2人で10GBといった形ならワイモバイルと、3つのブランドからいろいろ検討して欲しい」とブランドごとに分けることでの利点をアピール。
「スマートフォンは生活から切っても切り離せない。ぜひよろしくおねがいします」とプレゼンテーションを締めくくった。