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au新サービス発表会「au 5Gがユーザーとコンテンツに選ばれるよう努力する」
2020年12月9日 17:45
auは、新料金と新サービス発表会を開催。AmazonとDAZNと連携したサービスと料金プランや、Amazon Echoなどに特化した安価な無線LANルーターなどを発表した。
発表会には、KDDIの代表取締役執行役員副社長の東海林 崇氏が登壇。5G通信と対応する5G対応スマートフォンは、“圧倒的なスペックを有している”とし、5G通信の超高速大容量通信とともに端末もハイスペックであることを強調した。
au 5Gエリア展開は12月から既存周波数を活用
5G通信について、KDDIは10月に総務省から「既存周波数の5G転用」について認可を取得しており、12月より既存周波数の転用によるエリア展開をスタートする。
東海林氏は、「基本は5G用の新規の周波数」で展開すると前置きした上で、iPhoneやGalaxyなど対応端末ではすぐに転用周波数での5G通信を利用できるとした。
なお、転用周波数に関して東海林氏は、「設備などを5Gのものに更新しているので、5Gならではの高速通信を提供できる」とコメントした。
Amazonとの連携
Amazon Primeが付帯する新たな料金プラン
auでは、データ使い放題とコンテンツのセットプランが充実しており、auの調査によるとデータ使い放題プランを契約する20代ユーザーの61%が、月のデータ通信量が61%を超えており、平均で約36GB使っている。また、プラン別の利用者満足度調査では、使い放題かつサービスとのセットプランの満足度が高い。
コンテンツがフルHDなどどんどんリッチになっていくなかで、これからはサービス(コンテンツプロバイダー)がネットワークを選ぶ時代だと東海林氏は主張した。
その中で、今回auはAmazonと連携し、Amazon Primeがセットになった新料金プランを発表した。
新料金プラン「データMAX 5G with Amazon プライム」は、データ容量は無制限、AmazonプライムとTELASA(見放題プラン)が利用できる。既存の「データMAX 5G」に月々300円追加するだけで、Amazon PrimeとTELASAがついてくるとお得感を強調した。
アマゾンジャパンのプライム・マーケティング事業統括本部長の鈴木 浩司氏は「(Amazon Primeのサービスを)利用できるユーザーが増えることを嬉しく思う」とコメントを寄せた。
また、既存のNetflixプランなどに追加料金無しでAmazon Primeがセットになったプランも用意し、東海林氏は「最強のプラン」と自信を見せた。
22歳以下に向けた追加の学割施策
なお、auのワイド学割ではこれまで29歳以下まで適用できる割引により、割安でAmazon Primeセットプランが利用できる。
これに加えて」、経済的基盤がこれからという22歳以下のユーザーに向けてさらに割引を11日から実施。Amazon PrimeがついたデータMAXプランをさらに割安で提供する。
Amazonとのさらなる取り組み「Amazon Echoシリーズ」
auとAmazonとの連携は、新料金パックだけでなく、「Amazon Echoシリーズ」での取り組みも実施する。
「Amazon Echo Dot(第3世代)」「Amazon Echo Show 5」を、12月11日からau Online Shopで取り扱う。東海林氏は、「(ユーザーは)かなりお得に利用できる」と自信を見せた。
また、Amazon Primeがセットになった新プラン契約者が、auからAmazon Echoシリーズを購入すると、毎月の通信料を2年間190円/月割り引く「スマートスピーカーおトク割」を提供する。
Amazon Echo向け無線LANルーター「無線LAN STICK」
一方、Amazon EchoシリーズなどのAIスピーカーに対する街の声として、AIスピーカーを利用していないユーザーのうち3割は使いたい意思はあるが、「設定などがよくわからない」、「固定回線を引くのにお金がかかる」といった声があったという。
auでは、AIスピーカー導入の障壁を低くするべく、Amazon Echoシリーズが簡単に接続できる無線LANルーターを提供する。
「無線LAN STICK」は、Amazon Echoシリーズやau HOMEのデバイスに限定した無線LANルーター。東海林氏によると、ルーターの価格は6000円ほどとのこと。また、通信とのセットで月々の通信料+250円~で利用できる。
DAZNとの連携
auは、スポーツ専門動画配信サービス「DAZN」と連携する。東海林氏によると、auはこれまで本格的なスポーツコンテンツはやってこなかったといい、年間1万試合を中継するDAZNとの連携は魅力的と感想を述べた。
DAZNの番組に出演する内田 篤人氏は、auとDAZNとの連携で「自宅でも外出先でもデータ使い放題で見放題。近い将来どこにいてもスタジアムで観戦しているかのような体験ができると思っており、未来を(自身が)一緒につくれることにワクワクしている」とコメントを寄せた。
最後に東海林氏は、auはこのほかにも「smash.」や「バーチャル渋谷」での取り組みなどで、サービスが使いやすいようにチューニングができているとし、ユーザーからau 5Gを選んでもらえるよう引き続き努力していくとコメントした。
主な質疑
発表会後の質疑には、東海林氏のほか、執行役員 パーソナル事業本部 パーソナル企画副統括本部長の松田 浩路氏とパーソナル事業本部 パーソナル企画統括本部 次世代ビジネス企画部長の長谷川 渡氏が登壇した。
――5Gの現在の契約者数と年度末200万台の目標は達成できそうか。
東海林氏
具体的な数字の公表は控えるが、おおむね目標の半分ぐらいとなっている。
――世の中の大多数のスマートフォンユーザーは、月の使用データ量は20GB以下だと思うが、これらのユーザー向けの施策はあるのか。
東海林氏
KDDIはマルチブランド戦略をとっており、auはデジタルネイティブ層向けのラインアップ。中容量プランはUQ mobileで用意しており、(データ容量無制限の)データMAXプランでも使用量が2GB以下の月は値下げを実施している。
今後、KDDIのマルチブランドを通じてサービスを展開していく。
――Amazon Primeはドコモも実施していたが、違いはあるのか。
東海林氏
auは5G端末を業界で1番多く投入している。データ使い放題やサービスがセットになった料金プランもauだけであり、ユーザーからの評価も高いセットプランにAmazon Primeをセットにしたというのは今までなかったと思う。このようなところを評価してもらえるのではないかと考えている。
また、米国では動画配信サービスを2種類以上契約しているユーザーが6割以上に上っており、日本もなりつつある。スマホと動画配信をセットで契約できるのもauならでは。
松田氏
パートナー企業からも、使い放題とのセットでユーザー満足度が高いとアピールでき、ユーザーの満足度も高ければ、継続率も高いため、これ以外のパートナーとも連携しやすくなると考えている。
――NTTドコモのahamoに対する受け止めと対抗策について
東海林氏
ahamoのサービス設計が把握できておらず、コメントできないが、ドコモの新料金や(ソフトバンクなど)他社の動向を見て、対応するかを検討していきたい。しかしながら、auやUQなどマルチブランド戦略で、“必ず”ユーザーが満足できる料金プランを出していきたいと思う。
――データMAX各プランのユーザー比率は。
東海林氏
具体的な数字は申し上げられないが、一番人気はNetflixとのセットプラン。
――海外では、動画配信サービスとのセットで、ユーザーがサービスを自由に選べるアラカルト式が主流だが、auはセットプランのみの展開。なぜか。
長谷川氏
日本は、動画配信サービス契約率が欧米に比べて高くない。auが自身を持ったサービスをしっかり説明してセットにすることで、動画配信サービスの普及を目指す。
利用者が増えた段階で、ユーザーからアラカルト式の声があれば対応していく。
東海林氏
アラカルト式だとプランが複雑になってしまうため、よりシンプルなものにしたかった。
――武田総務相の「サブブランドに乗り換える際は手続きが必要」とのコメントがあるが、手続きの見直しなど検討していることはあるか。
東海林氏
移行手数料に関しての武田総務相の発言は、真摯に受け止める。
移行手数料の減額については、前向きに検討していく。詳細は改めて発表したい。