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auが「au マネ活プラン+」発表、質疑応答で語られた新料金プランの狙いとは
2024年11月26日 13:18
KDDIと沖縄セルラーは、12月3日に新料金プラン「au マネ活プラン+」(月額8778円)の提供を開始すると発表した。au関連の金融サービスを利用するとPontaポイントが還元されるなど、特典を利用できるプランとなっている。
約1年前に登場した「au マネ活プラン」をさらに進化させたものという位置づけ。26日午前には記者説明会が開催され、新料金プランの狙いが語られた。本稿では質疑応答の様子を紹介する。
回答者は、KDDIパーソナル事業本部マーケティング副本部長の渡邊和也氏、マーケティング推進部長の黒金泰介氏、料金戦略部長の野口晋氏。
――競合他社に対して、新料金プランはどこで差別化できるのか。
渡邊氏
ひとつはポイント還元率です。キャンペーンの一時的なものではなく、永続するという点が強みになります。
また、銀行や証券の利用で資産形成できる点は「au マネ活プラン」ならではの要素です。
3つ目は、決済での還元で上限への達しやすさです。au PAYとクレジットカード、ダブルで貯まりますので、恩恵を無駄なく受けられることが最大の特徴です。
――今回、決済での還元が強化された。ほかを強化する選択肢もあったと思うが、決済を強化する理由は?
渡邊氏
今回は、現行の特典水準も、業界で見ると高い水準で還元しており、今回も引き続き、その特典を得られるような設計にしています。
一方、クレジットカードやau PAYを多く利用いただけるほど、より長くau回線を利用いただけることがわかってきています。お客さまからも、決済でもっと多くポイントをもらいたいという声もいただいていました。他社との競争環境も踏まえて強化することにしました。
――税抜きで実質2980円とうたっている。データ無制限で、このあたりの価格帯が競争軸になるのか。
渡邊氏
今回、ポイント還元分を増量して、その結果、実質2980円(税抜)で提供します。一方で、UQのコミコミプランのような中容量帯も競争が激しくなっています。
お客さまによって、金融サービスを多くお使いだったり、資産形成をしたかったりする場合は「au マネ活プラン+」を、料金の安さを求められる場合はUQ mobileというように、選択肢をご用意することが非常に重要かと考えています。
――これまでのau マネ活プランは1年強で140万契約と好調だったということであれば、なぜ今回、新料金プランを出すことになったのか。端末買い替え条件になって、しかたなく入る人もいたのか。
渡邊氏
au マネ活プランは140万契約と、想定以上にご利用いただいています。一方で、改善の声が多く寄せられていたことや、我々としてもローソンとの協業などPonta経済圏を取り巻く環境がこの1年で変化しました。
そこで、Pontaポイントが一番貯まる料金プランとしてリニューアルしたことになります。
――旧プランと比べて値上げになっているように見える。加入への影響はどう見込んでいるのか。
渡邊氏
金融サービスの特典によって実質2980円(税抜)でご利用いただけますし、資産形成などの特典もあって、差別化を図っていきたいと考えています。
――決済での還元がau PAYとクレジットカードで分かれていて複雑に見える。その設計の理由は?
渡邊氏
競合他社さんではクレジットカードに寄せた還元をしているところもあると思います。
我々は貯まりやすさを実感していただけるようにする、あるいは家計の中の分布を見ていきました。
クレジットカードとコード決済、それぞれ利用するシーンが異なると思います。それぞれでポイントが付与され貯めやすくなること、そしてクレジットカードで毎月支払う事柄にもポイントを還元されます。しっかりとお得にマネ活ライフを送っていただきたいなと考えています。
――銀行・証券での特典に変更はないとのことだが、変更しなかった理由は?
渡邊氏
現状でも業界のなかで高い水準という点もありますが、今回については、維持すること、そして他社対抗も含めて決済での還元を強化する設計にしました。
一方で、金融関連の取り組みは、業界をリードする立場になれるよう検討を重ねていきたいです。
――auじぶん銀行とauカブコム証券の資本関係が変更されるが、特にauカブコム証券での特典は本当に継続されるのか。
渡邊氏
現状のサービスについては、au経済圏のお客さまに継続して提供できるよう、業務提携を結んでおります。
――数字的な目標を聞きたい。契約数、シェアなどどういった目標を掲げているのか。
渡邊氏
具体的な目標は回答を控えますが、au マネ活プランは140万契約に達しており、金融特典を残しながら決済での還元を拡充し、より多くの方にご利用いただければと考えています。
――現行プランは140万契約とのことだが、全ての人が新プランへ乗り換えたほうがいいのか、それとも損するのか。金額的な目安はないか。
渡邊氏
現行プランよりもかなりお安い料金プランになると思います。ただ、日々のご利用によっては、既存プランのほうがお得なこともありえます。
今、目安については手元にないんですが(今後)お示しできると思います。
黒金氏
auのWebサイトではシミュレーションできるようになっておりますので、そちらもお試しいただければと。
――今回、au PAYカード(クレジットカード)での証券での積立特典が1%→0.5%になった。その理由は?
渡邊氏
レギュラーカードが1%還元から0.5%還元になったことについてですが、新料金プランはau PAYゴールドカードと親和性を高く仕上げています。総合的に判断して決めました。
ゴールドカードについては、年会費以上のリターンがあると思っています。今回のプランをきっかけにゴールドカードを利用いただければと。
――カブコム以外の証券会社に展開する可能性はあるのか。
渡邊氏
現段階で、カブコム以外で決まった話はありません。将来的には都度、環境は変化しますので検討していきたいです。
――コード決済とクレジットカードで、ポイント還元の上限に達しやすい印象はあるが、au PAYカードを携帯電話料金を払うためのクレジットカードととらえている人も多いと思う。どう取り組むか。
渡邊氏
クレジットカードの決済額が増えるほど、日常使いしていただけるかどうか、お客さまとの関係性が変わっていきます。日常からご利用いただけるよう、拡大は狙っていきたいです。
――決済額を上げる、つまりクレジットカード分野全体で、競合となるクレジットカードと対峙していくと。
渡邊氏
対峙というと言い過ぎかもしれませんが、さまざまな特典がありますのでauやUQのお客さま、ひいては、Pontaパス、ローソンとの親和性が高まって、au PAYカード、au PAYとセットを狙っていけるかなと。いくつかの選択肢があるかなと思っています。
――通信量が中容量となるプランでの“マネ活”は検討したか。
渡邊氏
ドコモさんはahamoで提供されていますが、我々には中容量の料金としてUQ mobileがあります。
ただ、私どもでは、金融とのバンドル、あるいはNetflixなどとのバンドルはauならではの良さを感じていただけるプランと位置づけています。
UQ、povoへの拡大は、お客様の様子を見ながら、慎重に検討していきます。
――同時に発表された「使い放題MAX+」は値上げされている。その狙いは?
野口氏
家族向けの割引、固定回線の割引で、ごれまで通りの料金となっています。多くのお客さまで、従来通りの料金になる状態が多くなるかなと考えています。
テザリングでの通信量が60GBにしますが、これは昨今の利用状況の変化を踏まえて、少し多くしています。
――新料金の使い放題プランでは、200GBを超えると通信制限がある。また、テザリングの通信量制限を無制限にすることは難しいのか。
野口氏
200GB制限の目的としては、非常に大量の通信をされる方がごく一部いますので、「ネットワークの公平性」から設けることになりました。とはいえ、制限下でも通信速度は5Mbpsとなりますので、ご利用いただきやすく使い放題としています。
60GBというテザリングについては、無制限化の予定はありません。