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「金融庁とゆうちょ銀行は責任を持って正しい情報を開示するべき」、高市総務相の最後の会見

 高市早苗総務大臣は、16日臨時閣議後記者会見の中で、これまでの感謝と、ゆうちょ銀行の不正引出被害についてコメントした。

冒頭の高市早苗総務大臣

 総務大臣として最後の閣議後会見に臨んだ高市大臣は、冒頭笑顔で出席の記者や総務省職員、野党議員などに感謝の意を示した。また、総務大臣としてのやり残したことなど、終始にこやかに会見が進んだ。

ゆうちょ銀行関連にコメントする高市早苗総務大臣

 しかし、ゆうちょ銀行に関する記者からの質問には、時折強い口調で背景を明らかにした。

 ゆうちょ銀行と資金移動事業者との連携において不正引出被害が発生している問題で、ゆうちょ銀行から被害状況など明らかにされない件について問われた。

 高市大臣は、これまで直接所管する立場でないことは重々承知しながらも、ユーザーや特に銀行へ危機感を持ってもらうためにコメントしているとした。15日の会見では、不正取引被害の疑いがある事業者について、事業者名まで持っていたが、ゆうちょ銀行と金融庁が責任を持って正しい情報を開示するべきだとし、公表を控えたという。

 所管外の案件について、これ以上は述べる立場ではないとした上で、大臣個人の意見として、キャッシュレス決済を政府としても推し進める中で、いかにセキュリティが重要か改めて思い知った案件だったという。マイナンバーカードで暗証番号やパスワードが面倒に思われるユーザーが多いだろうが、2要素認証が金融機関などで当たり前になれば、より安全な社会になるだろう。

 また、金融機関や資金移動事業者に向けては、国民の大事な資産を預かる身として、しっかりとセキュリティを確立していただきたいとした。

総務省や日本郵政の隠蔽体質

 2019年のかんぽ生命の不祥事や、ゆうちょ銀行の不正引出事件では、総務省や日本郵政から一切開示がなく、高市大臣の発言で初めて明るみに出ることがあったことに対し、記者から隠蔽体質が続くのではという質問が飛んだ。

 これに対し、高市大臣は、原因がわかるまで公表しないという選択肢もあるが、「何かが起きている」と感知した段階で公表しなければ、被害が拡大してしまうとし、地位の高い人間が素早く事実の公表や謝罪をすることが大切だと主張。総務省の職員には、できるだけ早くメディアに開示できるよう尽力してもらえたとコメントした。

 また、 武田 良太新総務大臣に対しては、強い正義感をもって対応してもらえると期待しているとした。

【お詫びと訂正】
 記事初出時、武田 良太新総務大臣の漢字に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。