ニュース

5G車載型基地局も新登場、KDDIのイベント多客時に対する取り組みとは

 KDDIは27日、モバイルネットワークに関する説明会を実施した。同社の災害時やイベント時の臨時基地局などの取り組みが紹介された。

 今回は、イベント時の取り組みをご紹介する。

イベントの多客時に活躍する臨時基地局

KDDI建設本部エリア品質管理部計画推進グループ 課長補佐 赤松諒介氏

 同社建設本部エリア品質管理部計画推進グループでは、通信品質向上のため、全国の基地局のモニタリングやユーザーからの申告とそれに対する調査などを行っている。

 同グループ課長補佐の赤松諒介氏によると、イベント時には、周辺基地局だけでは多くの利用者の通信をカバーできないことから、臨時基地局の設置や車載基地局の出張で電波を一時的に増強することが必要だという。

 同社では、車載型基地局にイベント用と災害派遣用を用意している。イベント用車載型基地局では、イベント対策用にカスタマイズした車両を製作している。

 イベント対策用のものでは、KDDIが4Gで使用するすべての周波数に対応した設備を1台に集約している。保有周波数をフル活用することでより多くのユーザーの快適な通信を支えられるという。

 また、同社では、5G周波数に対応した基地局を新たに導入。5Gの3.7GHz帯(sub6)と28GHz帯(ミリ波)に対応。また、4GのKDDIが使用する全ての周波数もサポートする。

 新しく導入した5G車載型基地局はホワイトとブラックがある。KDDIの車載型基地局でブラックカラーのものはこれが初だという。

新規導入したブラックカラーの5G車載型基地局

 基地局からは2つの柱を立ち上げられる。上部には、指向性のアンテナを備えており、イベント会場や混み合う場所に向けてエリアを広げられるという。

 また、車内には4Gと5Gの全ての周波数に対応するため、車内にはところせましと通信機器が並んでいる。

先端にアンテナを配置。4Gアンテナ(上部)と3.7GHz帯(下左)、28GHz帯(下右)アンテナ
車両内の機器

 イベント用車載型基地局の親回線は光ファイバー回線をイベントごとに敷設し対応する。

 同社では今後、全国各地のさまざまなイベントで配置していく。