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auじぶん銀行とローソン銀行、カードレスで現金を引き出せる「スマホATM」を提供

 auじぶん銀行は、カードレスでATMを利用できる「スマホATM」をローソン銀行ATMでの提供を開始した。

 スマホATMは、キャッシュカードなしにATMで出金・入金などの機能を利用できる仕組み。auじぶん銀行では、セブン銀行が展開するセブンATMで展開しているサービスと同等の内容となる。

 これにより、auじぶん銀行に口座を持つユーザーは、全国のローソン銀行ATMおよそ1万2000台以上でスマホATMを利用できるようになる。すでに展開しているセブン銀行ATMとあわせてスマホATM対応のATMは3万7000台以上。

 利用するには、事前にスマートフォンにauじぶん銀行アプリをインストール。出金の場合はATMの画面に表示されるQRコードを読み取り、企業番号と暗証番号を入力するだけで、完了する。入金の場合は企業番号等の入力は不要。

 今回のローソン銀行との提携の意義について、auじぶん銀行 イノベーションビジネス本部 副本部長の都木良和氏はこう語る。「au WALLET ポイントがPontaポイントへ統合したこともあり、ユーザーは、コンビニが複数あれば同じPontaポイントがもらえるローソンを選ぶようになるのではないか。そこで便利なサービスを提供したく、スマホATMによりローソン銀行の利便性を高めたかった」。

左=auじぶん銀行 都木氏。右=ローソン銀行 髙木氏

 また、ローソン銀行 執行役員 デジタル金融事業部長の髙木文隆氏は、「ローソン銀行は新しい銀行。それにふさわしい新しいサービスを用意したい。中でもATMの利便性向上は至上命題」と語る。キャッシュカードレスの取引の実現について検討していたところ、auじぶん銀行からの声がけで、今回のスマホATMとしてカードレス取引の提供に至ったという。

 今回のauじぶん銀行との提携には「スマホATMはすでにセブン銀行で実績のあるサービス。カードレスの利便性を実感している人も多く、それをローソン銀行で提供することで、利便性を広げ、まだ使っていない人に対してもきっかけを提供できる」と提携の意義を説明。加えて「KDDIとローソンが提携し、金融関係の強化を進めている。ローソン銀行もKDDI、auペイメントとの提携で『即時口座決済サービス』の提供を開始。今後、金融領域の連携を一層強化していきたい」とした。

300万ポイント山分けキャンペーンも

 今回の提携を記念して、300万Pontaポイントの山分けキャンペーンが実施される。期間は8月24日~9月30日。

 ローソン銀行ATMでスマホATMを利用して入金または出金を行い、明細の取引番号、Ponta 会員ID、メールアドレスなどを応募ページに入力することでポイントが付与される。1人あたりの上限は200Pontaポイント。

 応募は1つのPonta 会員ID、問い合わせ番号につき1回までとなる。

スマホATMの利用状況は

 都木氏によれば、スマホATMの利用状況は男性で77.1%。女性で22.9%と男性がおよそ8割を締めている。年齢層的には10代~60代以上まで幅広い世代に広がっているものの、とりわけ男性の40代以下での利用率が高い。auじぶん銀行では理由として、スマホATM開始当初、男性ユーザーをターゲットとした広告を打ち出したことやキャッシュレス利用率の高い男性が

 また、2019年10月から実施された政府による「キャッシュレスポイント還元事業」以降、スマホATMでは入金での利用が伸びている。これについて都木氏は「キャッシュレス手段にチャージする際に利用されているのではないか」と予測を示す。

 スマホATMのニーズとしては、キャッシュレスカードを持ち歩きたくないというユーザー層から支持を得ている。財布を家に忘れた際や、昨今の災害の中で携帯電話だけを持って避難しても現金を引き出せたという声が上がっているという。