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IIJmio、1GB/480円~の従量制プラン

 IIJは、個人向けのMVNO型通信サービス「IIJmio」で、従量制の新プラン「IIJmioモバイルプラスサービス 従量制プラン」の提供を開始した。

 「IIJmioモバイルプラスサービス 従量制プラン」は1GB単位で、使った分だけ課金される従量制プラン。毎月のデータ通信量が少なく、できるだけ安くしたいというユーザーに向けたプランとなる。上限もユーザー自身の手で、1GB単位で設定できる。上限超過後は200kbpsで通信する。

 回線はauのLTE回線を用いる。SIM発行手数料は1枚406円。最大3枚まで発行でき、データをシェアできる。追加SIM1枚につき月額400円かかる。

 料金はSMS対応で1GBまで月額480円、2GB700円、3GB900円。一方、音声通話機能付きであれば1GB1180円、2GB、1400円、3GB1600円となる。どちらのプランも最大20GBまで使える。

初期費用3000円が1円になるキャンペーン

 8月20日~9月30日に申し込むと、初期費用3000円が1円になるキャンペーンがあわせて実施される。

 また対象機種を割安な価格で販売するキャンペーンも実施される。

機種一括価格(税抜)割賦払い
AQUOS sense2 SH-M082,980円125円/月
ソニー Xperia Ace17,800円754円/月
iPhone 8 64GB(中古) 23,500円992円/月

IIJのモバイル回線、311万回線に

 IIJが手掛けるモバイル関連サービスの回線数は、第1四半期末時点で311.4万回線。これは前期比で約11.8%の伸びとなる。個人向けサービスのIIJmioは、首都圏の店舗休業、外出自粛の影響で、新規獲得が低調だったが、その一方で、郊外店舗では獲得でき、プラス成長を遂げた。

 法人ビジネスでは、IoTでの引き合い、あるいはリモートアクセスのニーズが高まったことで、好調な結果となった。

 またIIJ MVNO事業部長の矢吹重雄氏は「2019年から、日韓問題で韓国人観光客の訪日が減少した問題をきっかけに、外国人向けの案件の売上が非常に減少した中、2020年度に入ってからも訪日外国人向けの売上が非常に縮小している」とも説明。ただ、そうしたマイナス影響は、先述した法人向けのニーズでカバーし、5万回線に達したという。

新型コロナの影響は

 新型コロナの影響で生活スタイルが変化したことは、IIJの利用動向にも顕著に表れていると矢吹氏。

 たとえばブロードバンド回線は、3月~5月、平日日中の通信が大幅に増加。緊急事態宣言の解除後にはその通信量は減った。

 一方、モバイル回線については、4月以降、通信量が減少。ただ通話時間に大きな変化はなかった。テレワークが増えた影響で、自宅でのWi-Fi利用が進み、モバイルトラフィックが減ったものの、通話は引き続き使われていると分析。

 「モバイルトラフィックの減少」「通話は変化なし」、その一方での「ブロードバンドトラフィックの増加」という3つの要素から、「低容量・変化に対応できること」「通話かけ放題は不要」「ブロードバンドサービスとセットで経済的に使える」という新たなプランが必要と判断、今回の従量制プランの導入に至った。

新プランの特徴

 IIJ MVNO事業部 コンシューマサービス部長の亀井正浩は、新型コロナの影響に加えて、もともと低容量プランを求める声があったと紹介。

 新プランでは、20GBまでカバーすることで、日ごろは月間の通信量3GB以下の人、あるいは毎月の通信量の変動が大きい人が主なターゲットになる。

 au回線だけの提供になったのは、システム設計をよりシンプルにするため。また、ドコモ回線がいい、あるいはau回線がいい、とこだわるユーザーが少ないことも背景にあるという。

 1GBあたり200円という単価設定も、繰り越し機能はない分、使いやすさの向上をはかったもの。1GB単位で上限を変更でき、月の途中でも変更可能というストッパー機能で安心できる環境も整えた。

 IIJならではの機能として用意されるのが、最大3枚までのSIMカードを1回線で利用できること。またSMS、音声通話付きと2種類から選べるようにして、ユーザーにとって選択肢の幅を増やした。

 3枚のSIMを活用する場合、1枚目は音声SIM、残りはSMS対応SIMとすることで、スマホに加えて、モバイル回線対応のパソコンやタブレットでも活用する、といった使い方もできる。

 亀井氏は「IIJmioの他サービスとの組み合わせでさらにお得に利用いただける」と語り、固定回線サービスの「IIJmioひかり」とのセット割「mio割」により毎月600円割引されることをアピール。必要に応じて、オプションとして通話定額も用意した。

他社サービスへの対抗は

 7月、MVNO分野では、日本通信が通話定額プランを発表した。これにIIJはどう対応するのか。

 矢吹氏は「今、各キャリアと条件を交渉している。日本通信さんの発表以降、いろんな問い合わせをいただいてるが、我々としてはまだ判断材料が揃っていないというところ。当然、競合他社に対抗し得る積極的なプランは作っていきたいと思っているが、そこへの情報を今、一所懸命に集めている」とコメント。

 また楽天モバイルの影響について同氏は「多少の影響はある」としつつも、それよりも同社の業績へのインパクトとしては、新型コロナの影響による販売の不調のほうが大きいと分析していると語った。