ニュース

iPhone 11 Pro Maxが顕微鏡になったゼ!!!

Ulanziの変わり種iPhoneケースが意外なほど凄かった

Ulanziの「Ulanzi U-Lens Microscope For iPhone 11 Pro Max」。カメラ部に独自の400倍率レンズが搭載されている“iPhoneを顕微鏡として使えるようにするケース”だ。iPhone 11 Pro用も日本のAmazonにて売られていたと記憶するが、現在はなくなっている

 俺的にミョーに好きなブランドこと「Ulanzi(ウランジ)」。カメラやスマートフォンなどのアクセサリーを多々販売している。痒いところに手が届く系のアクセサリーがいろいろあって愉快&実用的なのだ。

 そんなUlanziブランドのiPhone用ケースの中に「Ulanzi U-Lens Microscope For iPhone 11 Pro Max」というのを発見。製品紹介キャッチコピーは以下のとおり。

  • iPhone 11 Pro Max 用 スマートフォン顕微鏡
  • 400X倍率
  • LED付き
  • 充電式
  • スライド式

 これを見て「むむむっ!?」と好奇心が超湧いたので迷わずポチッと購入。Amazonで4280円(税込、以下同)だった。

 俺の場合、基本的に物好きなので、こういう変わり種ケースが大好き。なので、マクロレンズが使えるケースとかそういうのを色々と興味本位で買ってきた。でも顕微鏡付きケースなんて初めて。面白いじゃないかコレは!!! と。

 ただ、4280円という値段で、倍率が400倍(花粉やミドリムシなどの構造を観察できるレベルの倍率)もあるって……そんなに都合がいい製品があるのだろうか? と考えて、そーんなには期待しないでいた。

 ところが、使ってみた結果から言うと、けっこうイイのである、コレが。こういう値段のマイクロスコープ的な製品としては、これまで買った中で最も手軽かつキレイに対象を観察できた。「意外なほど凄いゼ〜!!!」というのが俺の印象。

 もちろん部分的に使いにくさはあるのだが、iPhone 11 Pro Maxユーザーでありかつ「iPhoneを顕微鏡的に使うのも楽しそう〜」と思っている人には、かなりオススメできる感じ。ともあれ以降、Ulanzi U-Lens Microscope For iPhone 11 Pro Maxについてレビューしてみたい。

どんなケースなのか?

 まず、Ulanzi U-Lens Microscope For iPhone 11 Pro Maxの概要から。どんな感じのケースなのか? 顕微鏡部分はどうなっているのか? などを写真と説明文にてご紹介。

ケース背面には400倍のレンズがあり、iPhone 11 Pro Maxトリプルカメラの超広角/広角/望遠レンズのうち広角レンズを通して顕微鏡として使える。顕微鏡レンズ部周辺はアルミと思われる金属製
レンズ部周囲にはディフューザー付きのLEDランプが埋め込まれており、白色で光る。観察対象を明るく照らすわけですな。レンズに向かって右側に充電用microUSB端子およびLEDランプオンオフ用スイッチがある。バッテリー容量は110mAhで、40分でフル充電となり、フル充電状態から2時間点灯可能
レンズ部分は向かって左へとスライドして取り外すことができる
例えばプレパラート上の標本なら、レンズ部分にプレパラートをペタリと置けば、ほぼしっかりとピント(iPhoneカメラのAF)が合って観察できる
ケース背面の黒い部分は硬質なプラスチックで、側面はやや柔軟なTPUのような素材。各ボタンを操作でき、ストラップホール付き。ケースの質量は53g(実測値)

これが400倍の世界だ!!! 身近な全てのモノの細部が興味深い!!!

 さて、この顕微鏡ケースでどんなふうに対象を観察できるのか? 身近なモノを片っ端から観察してみたので、それを写真と説明文でご紹介してゆきたいッ!!!

iPhoneのカメラアプリで観察中の様子。広角レンズ越しに400倍(公称)の世界が見えているが、何もしない状態では左のように画面周辺に顕微鏡レンズの縁が写り込んでしまう。これだとやや見づらいので、ピンチアウト操作で画面いっぱいに観察対象が表示されるよう少し拡大(右)。見えている世界は400倍よりもさらに拡大されたものということになる
左は松の幹(染色)、右はカナリアの羽。プレパラートに標本が雑に接着されているので、ちょっと汚い感じ。でもiPhoneでここまでミクロの世界が見えるのは凄い!!!
左は玉ねぎの表皮(染色)、右はヘチマの茎(染色)。透明の泡は恐らくプレパラートへ標本を接着している接着剤
これはコットンのバンダナ。洗濯後なので細部までけっこうキレイ
さんざん使ったナイロン生地のペットボトルケース。自転車で走る時に多用しているが、細部に細かな汚れがたくさん
単行本のカラーの表紙。
スポンジ。一部にしかピントが合わないが、実際に観察しているとスポンジの立体的な構造がよくわかっておもしろい
カッターナイフの刃。ペキッと折れる部分にはこんな溝が!!!
革製品。ぬめ革の表面にコーティングのようなものが施されている
500円硬貨。マイクロ文字もハッキリ見える
1万円札。繊維やインクがよ〜く見える♪

 てな感じ。意外なほどキレイじゃないスか? ミクロの視点で観察すると、何でもオモシロいっスよね〜♪ 倍率は400倍固定で、画面上を拡大操作すればそれ以上にもできる。

 ただし、観察対象によっては「こんなに拡大しちゃうと見たい箇所全体が同時に見られない」というケースもある。また、iPhoneのレンズ部に対象をうまく固定しないとピントが合わずにボヤケた映像になったりしがち。ちょっと繊細な“対象固定操作”も必要なので、そのあたりの操作性はさすがに本物の顕微鏡とは違っていて“簡易顕微鏡”という印象だ。

 もうひとつ、対象を顕微鏡レンズ部にペタリと当てるくらいの位置関係でないと、ピントが合わない。また、顕微鏡レンズ部の横は少し手前に出っ張っている。ので、例えばやや大きく硬質な対象の場合、顕微鏡レンズ部と隙間ができてしまい、観察できなかったりもする。

 といった難点はあるのだが、でも4280円の出費で、iPhoneでここまでアレコレ観察して楽しめるということで、満足度は非常に高い。実際、身近なものを観察しているとアッという間に20分30分と時間が過ぎていく。「顕微鏡を買うほどではないけど、たまにはミクロの世界を観察して遊びたい」というくらいの欲望ならバッチリ叶えてくれる製品だと思う。

ケースとしてはどうなのか?

 このケース(って言うか顕微鏡レンズ部)、かなりツカエル度が高いから常用しようかな〜、とか考えた俺。iPhoneケースとしては至ってシンプルで、けっこう軽く薄いので、常用のケースとして“も”イイかもと思った次第。

 だが、いくつか問題が。ひとつは顕微鏡レンズ部にレンズカバーがないこと。携帯時、レンズに傷が付いたりホコリなどの汚れが詰まったりするかもしれない。また、レンズ部周囲はアルミと思われる金属製。バッグの中に入れるなどしたら、他の小物を傷つけてしまうかもしれない。

 顕微鏡レンズ部はスライドして取り外せるので、顕微鏡レンズ部だけ何かケース的なものに入れて持ち歩くという方法もある。のだが、顕微鏡レンズ部を取り外すと、顕微鏡レンズ部を固定するためのレールや切り欠きが剥き出しになり、その部分がけっこう鋭利。他の物を傷つけたり指先を怪我したりしそうだ。

顕微鏡レンズ部周囲のグレーの部分はアルミと思われる金属製。顕微鏡レンズ部は外すことができるが、その状態だと顕微鏡レンズ部を固定するためのレールや切り欠きがけっこう鋭利

 という感じで、観察時だけ、iPhoneにこのケースを装着するのが良さそう。こういうトコロ、惜しいっスね〜。「レンズカバーさえあれば!!!」「アルミ部分全体を覆えるカバーかなんかが付属していれば!!!」的な、あと一歩感。まあでも4280円だからそんなもんか、みたいな。でもかなり楽しめると思うので、iPhone 11 Pro Maxユーザーならチェックしてみてほしい♪