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BluetoothはIoTやウェアラブルにも採用広がる、Bluetooth SIG予測

 Bluetooth Special Interest Group(Bluetooth SIG)は、Bluetoothデバイス市場のトレンドや今後の予測などをまとめたレポート「Bluetooth市場動向2020」を発表した。

 Bluetooth SIG会員企業は年々増加しており、多種多様な業界のメンバーで構成されている。2019年時点での参加企業数は3万5000社を超え、そのうちアジア太平洋地区では、全体の37%にあたる1万3136社がメンバーとなっている。

Bluetooth SIG マーケットデベロップメント シニア・ディレクター チャック・セイビン(Chuck Sabin)氏

 2019年のBluetoothデバイスの出荷台数は42億台で、2020年には46億台が出荷され、2024年には年間62億台出荷されると見込まれている。2019年~2024年までの年平均成長率は8%になるという。

 搭載機器別に見ると、これまではスマートフォンなどの携帯電話端末への搭載がメインであり、それ以外のタブレットやPCなどの割合は2015年時点で33%であった。これが2024年には携帯電話端末以外のデバイスが66%を占めるようになると予想し、ワイヤレスオーディオやウェアラブルデバイス、IoT機器などさまざまなデバイスにBluetoothが搭載されていく見込みだという。

緑色が非モバイル端末の割合

 新規格「LE Audio」のリリースにより、Bluetooth LEシングルモードデバイスの出荷台数は2024年までに3倍に増えると見込んでいる。LE Audioの対応機器は早ければ今年中に登場するという。なお、LC3コーデックについては複数のプラットフォームでテストされている段階だといい、対応製品の登場は来年になる見込みだという。

 オーディオストリーミングの分野においては、スマートスピーカーやイヤホンの需要拡大により出荷予想台数を上方修正し、2024年には年間15.4億台のBluetoothオーディオストリーミングデバイスが出荷される見込み。また、2024年までに97%のスピーカーがBluetoothを搭載すると予想している。

 データ転送の分野では、IoT端末におけるBluetooth搭載機器の割合が38%となっており、Wi-FiやRFIDなどその他の技術と比較して最も多く採用されていると強調。

 このほか、位置情報サービスとしての採用も拡大。Bluetoothタグを利用したなくし物捜索や、リアルタイム位置測位システム(RTLS)による資産追跡、屋内測位システム(IPS)による道案内など、測位システムとしての活用が急成長しているという。RTLSとIPSにおいては、測位精度がcm単位まで向上しているという。

 デバイスネットワーク対応機器は2024年までに年間8億9200万台が出荷される見込み。中国をはじめとしたアジア市場の需要の拡大が市場予測に大きく影響を与えているという。中国でのスマートスピーカーの導入数は、2024年までに現在の2.5倍にもなると予測。また、中国の家庭におけるスマート照明などの自動化デバイスの導入数は、2024年までに3倍になると予測。過去2年半で、Bluetooth mesh認証製品の数は半年ごとに倍増してきているという。