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Bluetooth市場動向2021年版、昨年は「スマート照明やウェアラブル、リモートワーク需要を取り込めた」と分析

 Bluetooth Special Interest Group(Bluetooth SIG)は、Bluetooth市場動向2021年版を公開した。

 新型コロナウイルスの感染拡大により、Bluetooth製品の出荷台数が伸び悩んだ一方で、ウェアラブルデバイスや位置情報システムなどの大幅成長が見込まれるという。

2020年度は医療機器やリモートワーク需要を取り込む

 Bluetoothデバイスの年間総出荷台数は、2020年で約40億台でこれは2019年の出荷台数とほとんど変わらない数字となった。2019年までは毎年約2億台ずつ出荷台数を伸ばしてきており、2020年は足踏み状態となった。

 一方で、ウェアラブルデバイスや位置情報システムなどの需要は堅調で、今後5年間で年10%の平均成長を見込み、2025年には64億台の年間出荷台数を達成するとしている。

 また、パンデミックによりBluetooth対応の医療機器やソリューションの活用が2020年は増加しているほか、リモートワーク需要を取り込み、パソコン周辺機器の出荷台数は1億5300万台と予想を10%ほど上回る成長を遂げた。

 Bluetooth SIGのCEOであるマーク・パウエル氏は、「メンバー企業は日夜、革新的なソリューションを開発、提供することでパンデミックへの対応を支援してきた。苦境に立ち向かうためにイノベーターが集結し、『より安全で、よりコネクテッドな世界』を目指し技術革新を続けていく」とコメントしている。

2021年以降の予想

 2020年度で急伸した医療機器やリモートワーク需要は、2021年以降も継続的に増加すると予想している。また、近年の健康志向や遠隔治療のニーズに応えたウェアラブルデバイスも、これまでの予測から+5%を超える出荷台数を記録しており、コロナ前の予測を上回る水準で推移すると予想する。

 また、新型コロナの影響を受けずに引き続き需要が高い位置情報サービス機器の成長は、2021年末までに回復すると予想。2025年までの年間成長率は32%としている。なお、医療分野の位置情報サービス機器に限れば、導入件数が2025年までに現在の5倍になると予測している。

 コンシューマー向けでは、イヤホンやスピーカーで採用が期待される新オーディオ規格「LE Audio」の仕様が2021年に完成を予定している。Bluetoothイヤホン/スピーカーは需要が高まっており2021年~2025年にかけて出荷台数が1.5倍に増加すると予測している。

 ビジネスとコンシューマー双方で堅調な成長を記録しているのは、スマート照明製品。制御や運用効率で注目を浴びており、商用施設におけるスマート照明やスマートホームソリューションの急速な普及により、今後5年間で年間平均34%というペースで成長すると見込まれている。