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NEC、5G/6G時代に向け150GHz帯での100m通信、OAMモード多重と偏波多重で世界初成功

150GHz帯OAMモード多重無線伝送用アレーアンテナ

 NECは、5Gと、さらにその次の時代の通信規格(Beyond 5G)に向けた新たな通信技術として、OAM(Orbital Angular Momentum:軌道角運動量)モード多重技術と、偏波多重技術を組み合わせ、150GHz帯という高い周波数を用いて、100mでの伝送に世界で初めて成功した。

 これまで同社ではOAMモード多重と偏波多重の組み合わせでは、80GHz帯において40mでの通信に成功していた。このときは1つの偏波だけを用いた。今回は、距離を2.5倍にし、さらに偏波多重技術で伝送容量を2倍にした上で、実験が成功した。

 OAMモード多重は、電磁波の特性のひとつで、電波が進む際にらせん状になる特性を活かす。OAMモード多重では干渉することなく複数のデータをやり取りする際、同じ周波数、同じタイミングに重ね合わせて送信、分離でき、これまでよりも飛躍的な通信容量を実現できる技術として開発が進められている。5G時代以降、通信需要が指数関数的に増えると予測されており、OAMモード多重は、大容量の通信を支える技術として期待されている。

 今回は、14.8Gbpsという伝送容量を達成。さらに今後は、帯域幅を1GHzへ広げることなどで、100Gbps以上の実現を目指し、5G基地局のバックホール回線などへの活用を目指す。