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サムスン、全て5G対応の「Galaxy S20」シリーズを発表
2020年2月12日 04:00
サムスンは2月11日(現地時間)、米国・サンフランシスコにおいて、発表イベント「Galaxy UNPACKED 2020」を開催し、同社のフラッグシップの最新モデル「Galaxy S20」シリーズを発表した。
従来のGalaxy S10シリーズまでは、4G LTE対応モデルのほかに、国と地域によって、5G対応モデルがラインアップされていたが、今回のGalaxy S20シリーズは発表された3機種がいずれも5Gに対応する。
あわせて完全ワイヤレスイヤホンの新モデル「Galaxy Buds Plus」や、S20シリーズ向けのケースなども発表されている。
5G時代へ向けた新しいネーミング
主力のGalaxy SシリーズやGalaxy Noteシリーズでは、モデル名の数字を重ねてきたGalaxy。2019年のGalaxy S10シリーズで10年目を迎え、ひとつの節目となったこともあり、今回はネーミングルールを再考し、5Gサービスを迎える新しい時代へ向けて、「Galaxy S20」シリーズというネーミングが与えられた。
今回発表されたGalaxy S20シリーズは、「Galaxy S20」「Galaxy S20+」「Galaxy S20 Ultra」の3モデルがラインアップされる。いずれのモデルも5Gに対応しており、販売する国と地域で5Gサービスが提供されていて、各携帯電話事業者のネットワークに対応していれば、5Gサービスを利用できる。ちなみに、サムスンは2019年11月現在、グローバル市場でもっとも多くの5G対応端末を出荷した実績を持つ。
6.2インチ~6.9インチの有機ELディスプレイを搭載
ボディは従来モデルが採用していた両側面が湾曲したデザインを継承し、Galaxy S20とGalaxy S20+は8mmを切る薄さに仕上げられており、非常に持ちやすい。
Galaxy S20 Ultraは従来モデルのサイズ感をほぼ継承したGalaxy S20+に比べ、ひと回り大きいサイズとなっており、重量も220gとやや重めの仕様となっている。ボディはIP68準拠の防水防塵対応となっている。
ディスプレイ
ディスプレイはいずれも3200×1440ドット表示が可能なQuadHD+表示が可能なHDR10+対応Dynamic AMOLED 2X(有機ELディスプレイ)。
サイズはGalaxy S20が6.2インチ、Galaxy S20+が6.7インチ、Galaxy S20 Ultraは6.9インチとなっている。
有機ELディスプレイの「2X」は120Hz対応を表わしており、従来モデルや一般的なディスプレイの60Hzに比べ、約2倍の駆動速度となっている。
ディスプレイの上部中央にはパンチホールがあり、インカメラが内蔵される。従来モデルに比べ、一段と画面が占有された印象の仕上がりとなっている。
チップセットやRAM/ROMもハイスペック
Galaxy S20シリーズは全機種が5Gに対応するため、チップセットなども最新のものが搭載される。発売される国と地域によって、対応が異なるが、米Qualcomm製Snapdragon 865、もしくはサムスン製Exynos 990が搭載される。
RAM/ROMについても発売される国と地域によって、仕様に差はあるが、Galaxy S20がRAM 8GB/12GB、ROM 128GB、Galaxy S20+がRAM 8GB/12GB、ROM 128GB/256GB/512GB、Galaxy S20 UltraがRAM 12GB/16GB、ROM 128GB/256GB/512GBとなっている。いずれの機種も最大1TBまでのmicroSDメモリーカードに対応する。
バッテリーはGalaxy S20が4000mAh、Galaxy S20+が4500mAh、Galaxy S20 Ultraが5000mAhの大容量バッテリーをそれぞれ内蔵する。
充電は本体下部もUSB Type-C外部接続端子での充電に加え、Fast Wireless Chagingによるワイヤレス充電にも対応する。Galaxy S20シリーズ本体から他のワイヤレス充電対応機器に電源を供給できる「Wireless PowerShare」にも対応する。
セキュリティについては画面内指紋センサーによる指紋認証、インカメラによる顔認証に対応する。
ネットワークについては前述の通り、3機種とも5Gに対応する。5Gの対応周波数帯域としては、3機種の内、Galaxy S20がSub 6(6GHz帯以下の周波数帯域)のみであるのに対し、Galaxy S20+とGalaxy S20 UltraはSub 6に加え、mmWave(6GHzを超えるミリ波帯域)にも対応する。
4Gネットワークに5Gの電波を流すことができるDSS(Dynamic Spectrum Sharing)にも対応しており、携帯電話事業者がDSSの導入を開始すれば、いち早く利用できる見込みだ。
既存の4Gにも対応しており、Enhanced 4×4 MIMO、最大7つのバンドを束ねられる7CAに対応したCat.20 LTEを採用し、受信時最大2.0Gbps、送信時最大150Mbpsを実現する。
Galaxy S20 Ultraには108MPセンサー採用のクアッドカメラを搭載
今回のGalaxy S20シリーズで、サムスンがもっとも注力したとするのがカメラだ。スマートフォンのカメラについてはこれまでも進化を遂げてきたが、今回の製品では多くの消費者が感じている不満を解消するための取り組みが行なわれている。
まず、最上位モデルのGalaxy S20 Ultraは、業界最高峰となる108MピクセルのイメージセンサーにF1.8のレンズを組み合わせた視野角79度の広角カメラ、48MピクセルのイメージセンサーにF3.5のレンズを組み合わせた視野角24度の望遠カメラ、12MピクセルのイメージセンサーにF2.2のレンズを組み合わせた視野角120度の超広角カメラで構成され、これにToFカメラを組み合わせたクアッドカメラとなっている。
望遠カメラは光学を組み合わせた10倍の「Hybrid Optic Zoom」、超解像技術を活かした100倍の「Super Resolution Zoom」を利用できる。
Galaxy S20とGalaxy S20+のカメラは基本的に共通仕様で、64MピクセルのイメージセンサーにF2.0のレンズを組み合わせた視野角76度の望遠カメラ、12MピクセルのイメージセンサーにF1.8のレンズを組み合わせた視野角79度の広角カメラ、12MピクセルのイメージセンサーにF2.2のレンズを組み合わせた視野角120度の超広角カメラで構成される。
Galaxy S20+にはこれらに加え、被写界深度を測るToFカメラが追加される。Galaxy S20 Ultraと同じ技術を採用した3倍の「Hybrid Optic Zoom」、超解像技術を活かした30倍の「Super Resolution Zoom」も利用できる。
3倍の「Hybrid Optic Zoom」は64Mピクセルのイメージセンサーで得られた画像を切り出すことで実現しているため、3倍で撮影したときは解像度が12Mピクセル相当になる。インカメラは3機種とも共通仕様で、10MピクセルのイメージセンサーにF2.2のレンズを組み合わせ、視野角は80度となっている。
Galaxy S20 Ultraに搭載される108Mピクセルのイメージセンサーについては、3×3の9つの画素を1つの画素として利用する「Nona Binning」により、ローライトの環境下でも明るく撮影できるとしている。
動画撮影
動画については8K/30fpsでの撮影に対応する。8Kで撮影した動画は1分で300MBと、かなり大容量になる。
再生については今のところ、サムスン製8Kテレビのみので確認されているが、HDMIケーブルでの接続では再生できないため、NFCコネクトで接続後にワイヤレスで再生するという。
8Kビデオについては、撮影後に解像度を変更したり、気になるシーンを静止画でクリップする機能なども備える。
新機能の「シングルテイク」
撮影時の機能として、新たに搭載されたのが「シングルテイク」という機能だ。15秒の動画を撮影すると、AIが導き出した最大14のベストショットを表示したり、早送り/早戻しを組み合わせた短い動画を生成する。
若い世代を中心に、カメラを撮影するときに最初から動画を撮るユーザーが増えていることを踏まえた機能追加だという。ちなみに、シングルテイクではひとつのカメラだけで撮影するのではなく、搭載されているすべてのカメラを使って撮影し、それぞれの動画からベストショットを生成するしくみとなっている。
撮影した写真や動画のやり取りについては、新たに「Quick Share」と呼ばれる機能が追加され、近くにいるGalaxy端末に対して、写真や動画などを転送できる。8K動画もQuick Shareで共有することが可能だ。
Galaxy Budsも新モデルが登場
昨年のGalaxy S10シリーズ発表時に同時発表された完全ワイヤレスイヤホンの「Galaxy Buds」は、新モデルの「Galaxy Buds Plus」が発表された。従来モデルに比べ、バッテリー駆動時間が延びたほか、アンプを内蔵するなど、音質面でも改善が図られている。
また、Galaxy S20シリーズ向けのアクセサリー類は、手帳型カバーやファブリック調カバーなどが数多く同時に発表されている。
今回発表されたGalaxy S20シリーズの日本向け展開については、何も発表されていない。従来モデルはNTTドコモ、au、楽天モバイルから発売されており、今後の各社の動向が注目される。
主な仕様
サイズ:151.7×69.1×7.9mm、163g
ディスプレイ:6.2インチQuad HD+ Dynamic AMOLED 2X、120HzDisplay Support
チップセット:米Qualcomm製Snapdragon 865、もしくはサムスン製Exynos 990
サイズ:161.9×73.7×7.8mm、186g
ディスプレイ:6.7インチQuad HD+ Dynamic AMOLED 2X、120HzDisplay Support
チップセット:米Qualcomm製Snapdragon 865、もしくはサムスン製Exynos 990
サイズ:166.9×76.0×8.8mm、220g
ディスプレイ:6.9インチQuad HD+ Dynamic AMOLED 2X、120HzDisplay Support
チップセット:米Qualcomm製Snapdragon 865、もしくはサムスン製Exynos 990