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ドコモのスマホ販売数が減少、2019年度の第3四半期決算

 30日、NTTドコモは2019年度第3四半期の業績を発表した。財務上の実績のほか、各サービスの最新の契約数といったオペレーションデータなどが紹介されたほか、質疑ではまもなく正式サービスを迎える5G、活況を呈すキャッシュレスなど話題は多岐に渡った。

ドコモの吉澤社長

 本稿では、業績やオペレーションデータを中心にお届けする。5Gやキャッシュレス関連の話題は別記事でご紹介しており、あわせてそちらもご覧いただきたい。

新料金で減収減益

 第3四半期の業績は、営業収益が3兆5160億円(前年同期比3.8%減)、営業利益が7879億円(同12.7%減)となった。

 このうち通信事業は、営業収益が2兆8059億円、営業利益が6514億円で、どちらも前年同期から1000億円以上減っている。

第3四半期の業績
セグメント別の実績

 一方、スマートライフ領域は営業収益と営業利益ともに前年同期よりも成長している。

 減収減益の理由は、2019年6月に導入した新料金プラン「ギガホ」「ギガライト」の影響で、既に織り込み済み。年間を通じた業績予想から堅調な推移という。

スマホ販売が減少

 営業利益の増減要因のうち、端末販売関連では1613億円の減少を記録した。ちなみに端末販売関連費用も1371億円減った。端末販売関連の業績が営業収益に与えた影響は、差し引き242億円のマイナスということになる。

営業利益の増減要因
端末販売に関する項目

 吉澤社長は、改正電気通信事業法が2019年10月に施行されたあと、9月まで駆け込み需要があったものの、「10月以降は端末販売にブレーキがかかった」とコメント。

 とはいえ、12月以降は、ハイエンドではなくスタンダードなスマートフォンの存在や、3Gから4Gへ切り替えるユーザーが増えてきたもあって、「少し販売数も伸びてきている」(吉澤社長)と復調の兆しを見せているとコメント。スマートフォンの販売数は、第1~第3四半期の累計で前年同期比6%減、第2四半期~第3四半期で同16%減になったことが明らかにされた。

 あわせてドコモから開示されたデータ集によれば、2019年度第3四半期単体のスマートフォン・タブレット販売数は296万1000台。ここからタブレット販売数(23万1000台)を引いた数がスマートフォン販売数(法人向けレンタルサービス含む)となり、その数値は273万台となる。

スマートフォン・タブレット販売数
年度四半期総数タブレットのみスマホ(総数-タブレット販売数)
2018年度1Q334万3000台46万1000台288万2000台
2Q374万2000台48万4000台325万8000台
3Q361万7000台45万4000台316万3000台
4Q407万9000台44万5000台363万4000台
2019年度1Q344万3000台34万8000台309万5000台
2Q320万3000台24万1000台296万2000台
3Q296万1000台23万1000台273万台

 第1四半期~第3四半期のスマホ販売数を合算すると約879万台で、前年から約51万台減った。第2四半期~第3四半期だけの合算では約569万台で、前年から約73万台の減少だった。

 ドコモでは第1四半期の6月から、端末購入補助である月々サポートを廃止した「ギガホ」「ギガライト」を導入。第1四半期~第3四半期のスマホ販売数は第1四半期こそ前年を上回ったものの、第2四半期、第3四半期と前年割れが続いている。

 端末買い換えの長期化や、iPhone 11シリーズやAndroidスマートフォンの売れ行きなどの要素もあるが、第3四半期が始まるタイミングで改正電気通信事業法が施行され、端末割引が2万円までと規制されることにあわせたかのような減少を記録した形だ。

各種サービスの利用・契約状況

 携帯電話回線の契約数は7967万契約(同3%増)、解約率は0.54%で0.01ポイント減った。スマートフォンとフィーチャーフォンに限ったハンドセット解約率は0.43%で、こちらは0.02ポイントの減少。ドコモ光の契約数は633万件(同14%増)だった。

回線契約数と解約率
スマホとタブレットの利用数とドコモ光契約数

 ギガホとギガライトの契約数は2日前の段階で1255万契約。2019年度末には1700万件という目標が掲げられており、これから迎える春商戦での追い上げを見込む。

新料金プラン契約数
ギガホ向けキャンペーン

 ARPU(ユーザー1人あたりの平均月間収入)は4710円で、1年前から120円減った。

 dポイントクラブ会員数は7345万会員(前年同期比7%増)、dポイントカード登録数は4065万枚(同32%増)となった。クレジットサービスのdカードやd払いなどを含む金融・決済サービスの取り扱い高は3兆8200億円(34%増)だった。dカード契約数は1247万件、このうちdカード GOLDは640万件だった。

 コード決済の「d払い」に限ると、決済額は2600億円に達し、1年前の3.3倍。ユーザー数は2198万人で、1年前の倍となった。

dポイントクラブ会員数
ARPU
コスト効率化
スマートライフの営業利益
金融決済サービスの取扱高とdカード契約数
d払いの取扱高とユーザー数
dポイント
パートナー数
5Gプレサービス
5Gプレサービス
3月18日に8KVRライブ
100事例をパートナーと創出
ドコモショップ9店舗で5G体験コーナー
beyond宣言の進捗
dカード債権のうち500億円分をまず3月末から流動化
自己株式の取得状況
決算サマリー

リクルートとの提携で狙うもの

 20日に発表されたリクルートとの提携については、ID連携で、じゃらんなどリクルートのユーザーでもdポイントが貯まる環境を整備する。また、中小規模や個人店舗向けの業務・経営支援を含むマーケティング面での協業でエコシステムを構築する。

リクルートとの提携

 吉澤社長は、リクルートと提携する背景について会員規模の大きさを挙げる。「リクルートの会員規模は大きい。dポイントとの連携を当然期待できる。dポイント側での利用傾向のデータを連携させて、マーケティングに活用することをぜひやっていきたい」と語り、利用傾向データを組み合わせ、今後のビジネス機会に繋げる方針を示した。