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ドコモと日テレ、ニュース記事の要約作業を半自動化させる実証実験

 NTTドコモは、5GやAI、IoTなどの最新の技術やサービスを紹介する大型のイベント「DOCOMO Open House 2020」を東京ビッグサイト 青海展示棟で開催している。開催日は1月23日、24日。

ニュース記事の自動要約システム

 NTTドコモと日本テレビ放送網は、AIを活用したニュース記事の自動要約システムの実用化をめざす実証実験を行い、ニュース記事の要約作業を自動化するシステムのプロトタイプを開発した。同システムが「DOCOMO Open House 2020」でデモ展示されている。

 同システムは、要約手法の異なる「抽出式要約システム」と「生成式要約システム」の2つの自動要約システムが用意されている。抽出式では、全文原稿から重要度の高い文をそのまま抜き出して要約結果として表示する。生成式では、全文原稿からの抽出だけでなく、言葉を補いながら新たに文を生成する。

 いずれの要約方式でも、ユーザーが指定したキーワードやタイトルに含まれるキーワードを要約に含める機能を有する。また、指定した上限文字数内で要約を生成し、生成された要約の原文における位置をハイライト表示する。

生成式要約システム
キーワードを指定した状態

 日本テレビが運営するニュース専門サイト「日テレNEWS24」では、ニュース原稿を全文記事と要約記事で配信しており、要約記事をはじめに表示することで読者にニュース概要を分かりやすく伝えている。

 一方で、このニュース記事の要約作業には人手による要約の手間が発生している。また、要約作業には熟練したスキルが必要であるため、スタッフの育成に一定期間の研修が必要で、人員の確保も課題となっている。要約作業を半自動化させることで、業務の効率化を図り、さまざまなメディアへの活用が期待される。

 ドコモと日テレは2016年よりAIを活用した同システムの研究開発に着手している。同システムはNTTドコモ北京研究所の自動要約技術を用い、日本テレビが保有する20万件近い過去記事データと人が要約したデータセットを学習している。

 2019年5月から開始した同実証実験では、システムの機能拡充やインターフェースの実装を行い、現場で使用するためのWebアプリケーション型のプロトタイプを開発した。両社は今後現場での検証を通じてさらなる要約精度の向上を図り、本システムの実用化をめざしていく。