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楽天モバイル、有明コロシアムで「5G×テニス」の実証実験
VRゴーグルで8K映像の試合を楽しむ
2019年10月4日 14:44
有明コロシアムで開催中の「楽天・ジャパン・オープン・テニス・チャンピオンシップス2019(楽天オープン2019)」で、楽天モバイルが5G通信を活用した実証実験を行っている。来場者は、VRゴーグルで試合を楽しめる。
コロシアムの3階から有明テニスの森公園に向けて、5Gの電波(4.75GHz帯、100MHz幅)発射。試合会場に設置された4つのカメラ(180度の8K映像と、120度×3で計360度の8K映像)で捉えた試合の様子を配信する。
5G経由で遅れた映像は楽天のブースにある端末で受信し、Wi-Fiを経由して市販のVRゴーグルで鑑賞する形だ。
映像のビットレートは200Mbpsとのことで、かなり高精細だが、たとえば360度映像では、ユーザーが見ていない方向の映像は圧縮をかけて、データ伝送量を減らす、といった工夫をしている。実際に体験したところ、VRゴーグルの解像感が物足りない面はあったが、楽天が特別協賛する大会だけあって、試合が行われるコートに迫る場所にカメラが設置され、より臨場感を味わえる形だった。
今回の実験では、会場内に設置した装置で、5Gの基地局装置とコアネットワークを実装した。これまでも楽天モバイルでは、楽天生命パーク宮城などで実験を進めてきた・
楽天モバイルのネットワーク本部副本部長 兼 技術戦略部長の内田信行氏は、今回の実験が5Gの電波伝搬よりも、ユースケースに焦点を当てていると説明。「国内外で多くの通信事業者が5Gの実験を進めているが、マネタイズという観点で観ると、まだうまく(ユースケースの構築が)うまくいっているところはないと見ている。楽天モバイルのスタートは遅かったが、他社からも学んでいる」と意欲を見せる。
無線区間、つまり基地局の展開については、10月から無料プログラムとして始まった4G LTEでも現在は計画通りであり、設置工事業者の確保の問題はないとの認識を示しつつ、競合の大手3社が蓄積してきた無線ネットワーク品質には一朝一夕で追いつくのはなかなか難しい、との見解も示し、引き続き努力を重ねる方針とした。なおauと4Gサービスでローミングしているが、5Gでは他社サービスとのローミングの計画はないとのこと。
今回はVRで楽しむコンテンツという形だが、9月6日の発表会で示された「Link」という通話、メッセージングなどを含むサービスは、いわゆるRCS規格に基づくサービスと内田氏。今回のサービスと直接的な関係はないとした。