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「5G」と「楽天モバイル」、今後の基地局数と投資の見通しは
携帯基地局市場と設備投資の実態 2019(2)
2019年9月30日 11:00
MCAの市場調査レポート「携帯電話基地局市場及び周辺部材市場の現状と将来予測 2019年版」から、携帯基地局市場の動向を取り上げる集中企画。2回目となる今回は、「5G」と「楽天モバイル」の2点に焦点を当てる。
2022年度に5G基地局数は7万局へ、5G投資額も2500億円強に
大手3社は2019年度中に5Gプレサービスを提供するため、100局程度の5G基地局を設置する見込みだ。今回の調査は屋外を対象としているため、スタジアム向けなど屋内展開がメインになるNTTドコモは19年度の数字には含まれず、対象はKDDI(au)とソフトバンクとなる。
初年度の2019年度は静かな動きだが、2020年度は本格的な商用化で一気に基地局数が拡大し、約1万5000局になるものとみている。NTTドコモの5G開設計画はミニマムなものとの位置付けであり、実際は国内トップの5G基地局数となる見込み。また、2022年度には国内4社合わせ、累積7万局の5G基地局が設置されるものと推定される。
基地局数の増加にともない、国内4社における5G投資額は2022年度には2550億円に達する見込みで、設備投資額全体の15%強を占める。なお、本市場調査レポートは2022年度までの予測となっているが、国内4社の5G開設計画では2023年度が5G展開のピークとなっている。そのため、5G投資も増加が見込まれるものの、国内4社の投資総額が大幅に拡大される訳ではないため、4G投資が5G向けに転嫁されるものと分析している。
「3432局」という数字が独り歩きする楽天モバイル
楽天モバイルの基地局数については、総務省へ申請した屋外基地局開設数の「3432局」が独り歩きしている状況だ。ただし、あくまでこの数字は2019年度末(2020年3月)までの基地局数であり、10月の段階では幾分差し引く必要があるだろう。
2019年8月時点で、基地局設置済みが約800局、稼働可能は約300局とされ、商用化までに光ファイバー網の接続が進んだとしても、1000局程度のスタートになる可能性がある。
商用化後も地道に基地局展開を進め、3432局を超える基地局数を目指すものの、険しい道のりが想定される。思い返せば、イー・モバイル(現ソフトバンクに吸収)も当時、総務省に基地局開設計画の変更を申請し、下方修正を行った。そのため、楽天モバイルも同様のケースがあり得るだろう。