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iPhone 11/11 Pro/11 Pro Max、キャリアごとの最高速度はどう違う?

 9月20日、「iPhone 11」「iPhone 11 Pro」「iPhone 11 Pro Max」が発売される。同じiPhoneでも、実はキャリアごとに最高の通信速度がわずかながら異なる。

 最高速度は理論値で、なおかつベストエフォートとされ、実効値とは異なる。とはいえキャリアの実力を示す指標のひとつと見られることも少なくない。各社にあらためて確認したところ、iPhone 11とiPhone 11 Pro/Pro Maxで違いがあることもあらためてわかった。

NTTドコモ

 NTTドコモは、東名阪とそれ以外の地域で、利用できる周波数が異なるため、最高速度も異なる。

 iPhone 11 Pro/Pro Maxの最高通信速度(下り)は東名阪で1388Mbps、それ以外は1038Mbps。256QAMという変調方式と、4×4 MIMO(4つのアンテナを同時に使う手法)もサポートする。

 東名阪の周波数の組み合わせは、1.7GHz、2GHz、3.5GHz、3.5GHz。それ以外の地域は800MHz、1.5GHz、2GHz、3.5GHz、3.5GHzになる。

 一方、iPhone 11では、東名阪で844Mbps(2GHz、1.7GHz、3.5GHz、3.5GHz)、それ以外で794Mbps(2GHz、800MHz、1.5GHz、3.5GHz、3.5GHz)になる。こちらは256QAMを用いつつ、4×4 MIMOは利用していない。

機種速度/周波数
iPhone 11 Pro/Pro Max東名阪1388Mbps
1.7GHz+2GHz+3.5GHz×2
その他の地域1038Mbps
800MHz+1.5GHz+2GHz+3.5GHz×2
iPhone 11東名阪844Mbps
1.7GHz+2GHz+3.5GHz×2
それ以外794Mbps
800MHz+1.5GHz+2GHz+3.5GHz×2

auは6CC CA対応、エリアは首都圏から

 auでは、iPhone 11 Pro/11 Pro Maxの受信最大速度は1Gbpsとなる。用いる周波数(6波)は、1.7GHz、2GHz、2.5GHz×2、3.5GHz×2という組み合わせ。このうち1.7GHz帯が今年から新たに加わった形で、昨年の758Mbpsからスペックアップした。256QAM、4×4 MIMOに対応するが、4×4 MIMOは同時に利用できる周波数に制約があるとのこと。

 iPhone 11は4×4 MIMOが未対応と案内。下り最大968Mbpsになる。

 6CC CAのサービスエリアは、まず首都圏になるとのことだが、具体的な場所は非開示。1.7GHz帯を利用できる場所が広がれば、その分、6CC CA対応エリアが広がる。

ソフトバンク

 ソフトバンク版は、iPhone 11 Pro/Pro Maxの最高受信速度は838Mbps、iPhone 11は500Mbpsとなる。

 実現するための要素技術や、周波数の組み合わせは現在確認中とのことで、詳細がわかり次第、本稿に追記する予定だが、もともとソフトバンクはそうした詳細をこのところのiPhoneでは開示していない。理論上の通信速度よりも体感にこだわってエリア整備を進めていることが背景にあるようだ。

通信速度は環境によって異なるが……

 繰り返しになるが、今回ご紹介したのはあくまで理論値。実際に街中で通信する際には、周囲の環境によって、通信速度は大きく変動する。

 ただ、通信技術がより高速になるよう進化してきたのは「周波数の利用効率」、つまり、より多くの人にとって、より快適に通信できることとも密接に関連している。

 日本国内では、携帯各社の尽力のおかげで、どこでもかなり繋がりやすくなってきているが、こうした点も購入する際には、頭の片隅の入れておいても良いだろう。