ニュース

OPPO新ブランド「RENO」を発表、キーパーソンが語る10倍ズームの力

 OPPOは、新ブランド「RENO(リノ)」を国内発表するとともに新モデル「RENO 10x ZOOM」を7月12日に発売する。価格は9万9880円。7月3日より予約が開始された。

新ブランド「RENO」

 新ブランド「RENO」は、若者やクリエイティビティに溢れたユーザーに向けたというシリーズ。グローバル・マーケティングディレクター デレク・ソン氏は、「RENOには異なる個性をもたせた。機能面でもRENOにはカメラなどユーザーの想像力を引き出す機能がある。グローバルモデルとして開発したが、日本でも発売する。我々は新しい製品を作り、限界を超えた未来を作り上げる」と語った。

 同社のハイエンドシリーズである「FIND X」との違いについて、デレク氏は「RENOはクリエイティビティ、個性やユーザーエクスペリエンスを重視しており、デザインもそうした発想で行っている。対してFIND Xは若いビジネスマンのようなユーザーを想定している」とした。

10倍ズーム対応、誰でもプロのような写真が撮れる

10倍ハイブリッドズーム

 「RENO 10x ZOOM」には、最大で10倍までズームできる「10倍ハイブリッドズーム」対応のカメラが搭載されている。焦点距離が異なる3つのカメラを備えており、16mm~160mmの焦点距離をカバーし10倍ズームを実現した。

 望遠カメラには「ペリスコープ構造」という特殊な構造が採用されている。オッポジャパン株式会社 プロダクトマネージャー 中川裕也氏によると、「潜水艦が海上を覗くための潜望鏡(ペリスコープ)と同じ構造を採用した」という。一般的な望遠レンズでは、本体の厚みが増してしまうが、屈折させた光をセンサーに当てるという方法でこの問題を解決した。

 また、10倍ズーム撮影でも手ブレしない光学式手ぶれ補正を搭載。ゼロに近い僅かな動きでも感知して補正するため、手持ちでも十分に10倍ズームでの撮影が可能。

 中川氏は「スマートフォンでの撮影は、ノイズが多かったり、ぼやけたり思うように撮れないことが多かった。RENO 10x ZOOMの10倍ズームハイブリッドズームならばそれを解決できる」と語る。

ピボットライジングカメラ

 インカメラは、ノッチ式ではなく本体上部に格納された「ピボットライジングカメラ」だ。インカメラ使用時に立ち上がってくるもので、展開動作は0.8秒で完了する。

 20万回以上の耐久性能を持ち、一般的な使用で5年間は問題なく動作するとしている。カメラが展開中にスマートフォンを落としてしまっても、センサーが本体の落下を検知し地面に衝突する前にインカメラが自動的に格納されるという。

Ultra NIght Mode 2.0

 スマートフォンのカメラは夜間の撮影に弱く、ノイズが多かったり、真っ暗で何もわからなかったりということが多い、それを解決するのが「Ultra Night Mode」だと中川氏は語る。

 ただ輝度上げるのではなく、メインカメラのイメージセンサーに低照度での撮影に適した機能を持つ、SONYの「IMX586」を採用したことに加えて、レーザーフォーカスやF1.7の大口径レンズを備えている。従来の「Ultra NIght Mode」はシャッターを切ってから処理時間に4~5秒かかっていたが、2~3秒への短縮を実現した。

 また、AIエンジンの解析によりノイズを出すことなくコントラストを強めた写真を撮影できる「Dazzle Colorモード」、一眼レフのように被写体の背景をぼかしてプロフェッショナルな写真を簡単に撮れる「ポートレードモード」も搭載する。

HSL復元

 暗い場所で撮影しても、自然な肌の色合いになる「HSL復元テクノロジー」を搭載している。RGBではなく、HSL(色素、彩度、輝度)の色空間で元の肌の色を再現するという。

 中川氏「全体の輝度や色彩に合わせて、その時見えている自然な色合いを再現する」と語る。

ムービー撮影もさらに進化

 ムービー撮影は、4K 60fpsでの撮影に対応する。

 本体に内蔵された複数のマイクが奥行きのある音を録音してくれる「Audio 3D」や、カメラのズームインに合わせて音量が変化する「Audio Zoom」を搭載。中川氏は「RENO 10x ZOOMは、ムービー撮影において立体的な音響を提供することができる」と語る。

充電機能VOOCも進化

 充電の最終段階である、80%~100%までは最も時間がかかっていた。

 「RENO 10x ZOOM」に搭載される「VOOC3.0」では、アルゴリズムを新たに開発した。より最適な電圧と電流管理を行うことで、従来よりも大幅に充電時間を短縮した。

デュアルバンドGPSを搭載

 「RENO 10x ZOOM」は従来のシングルバンドGPSではなく、省エネ性能に優れた「L1 GPS」と高い精度を持つ「L5 GPS」の両方を搭載し、より正確なナビゲーションを実現するという。

ソフトウェアも進化、「Color OS 6」

 中川氏は「デバイスはハードウェアの進化だけでなく、ソフトウェアの進化も重要だ」と語る。パフォーマンス向上のために独自に開発したHYPER BOOSTは、以下の3つで構成される。

 GAMEBOOST 2.0は、ゲーミング時のパフォーマンス向上を目的とした機能で、処理速度を加速させる。TOUCHBOOSTはスクリーンにタッチしてから実際に操作が実行されるまでの時間を短縮した。FRAMEBOOSTは、カクつきを抑えて安定した動作を実現する。

 中川氏によると、ゲーム「伝説対決」においてはタッチスクリーンの反応速度は16.2%向上し、フレームレートの安定性は31.38%上昇するとしており、PUBG MOBILEでは遅延を44.1%減少させるとしている。

よりゲームへの没入感を高めるために

 ゲーム中に本体温度が上昇すると、持ちづらい上に熱でデバイスにダメージを与える可能性もある。「RENO 10x ZOOM」では、水冷式冷却システムを搭載して発熱問題に対処している。

 また、リニアモーターを装備し、従来よりも手に伝わるフィードバックが強く振動が長すぎたり短すぎたりする問題も解決。より、ゲームへの没入感を高められるとしている。「RENO 10x ZOOM」は、その他にも8%消費電力を削減、ブルーライトカット機能を搭載するディスプレイなど基本的なスペックもしっかり抑えている。

FeliCaや防水スマートフォンは? 政府規制の影響は?

 今年中にローンチするというFeliCa搭載や防水スマートフォンはどうなったか、という問いに対し、OPPOジャパン 代表取締役の鄧宇辰(トウ・ウシン)氏はこう語る。

 「政府の介入により、10月から完全分離プランがスタートした場合、10万円を超えるような高価なハイエンドモデルは販売が低迷すると考えられる。これに対して弊社でも大まかな判断を下している。10万円以上のハイエンドモデルが低迷してもすぐに2~3万円台のモデルに落ち込むことはないと考える。新機種は1台か、それとも複数出すのかについては間もなく発表できると思う」。

5Gモデルの日本での展開について

鄧氏
「OPPOはグローバルでも5Gの技術を牽引している企業だ。3GPPなどの特許数や実用化の速さを見てもそれは明らかだ。5Gが始まったらブランド、技術力などで認知度を高めていきたい。5G対応モデルについては、4大キャリア(楽天含む)がいつ5Gサービスを開始するのかという時期的なもんだいもあるので、現在は調整中だ」とした。

高価格帯の端末を投入する理由

鄧氏
「それは、我々の新ブランド発表への姿勢だ。ブランドの特徴をよく表している10x ZOOMを導入した。グローバル版で導入されるミドルレンジモデルはいずれ日本でも発売するつもりだ」

楽天の参入については、

鄧氏
「他社のビジネスへのコメントは差し控えるが、消費者の選択肢が増えるのは良いことだと思う」とした。

韓国への半導体関連部品の輸出特例の除外について、

鄧氏
「政治に関するコメントは控えたい。だが、我々の生産体制などへの影響はないと思われる」

 とコメントした。