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KDDIとエリクソン、5Gに向けたネットワークスライスのオンデマンド構築技術などを開発

 KDDIとエリクソンは、第5世代のモバイル通信システム(5G)に向けて、利用用途に応じてネットワークの規模を動的に変更できる「ネットワークスライスのオンデマンド構築技術」およびアプリケーションの認証が容易となる「ゼロタッチ認証技術」を開発した。

 これらの2つの技術は、上海で6月26日~28日に開催される「MWC Shanghai 2019」のエリクソンブース内において実現可能性を示すデモンストレーションが展示される。

ネットワークスライスのオンデマンド構築

 「ネットワークスライシング」は、携帯電話会社の通信ネットワークを用途に合わせて仮想的に分割(スライス)する5G世代に向けた新たな技術のひとつ。

 従来の仮想化技術では、提供にかかるリードタイムが課題と考えられている。今回、コンテナ技術を用いたことでアプリケーションの高速化やハードウェアの高効率化が期待でき、オンデマンドにネットワークスライシングの操作が可能となる。

 コンテナ技術とは、仮想化技術のひとつで、1つのOS上で仮想的なアプリケーション領域が複数利用できるもの。従来はアプリケーションごとにそれぞれOSが用意され、アプリケーションの起動にはOSの起動も伴っていたが、これが不要になる。「Docker」や「Kubernetes」などが知られている。

「ネットワークスライスのオンデマンド構築技術」概要

ゼロタッチ認証

 従来、アプリケーションの利用におけるユーザー認証では、IDとパスワードの入力に加えて、安全性を確保を目的としてSMS認証などが広く用いられている。この方法では、ユーザー側での操作が必要となり、煩雑さが課題となっている。

 今回、安全性を確保したうえでアプリケーションとサービスプロバイダー間の認証を自動化するしくみを開発した。

 開発段階のため、認証に用いる情報の利用範囲や活用方法は具体的に定まっていないが、MNOキャリアと個別のコンテンツプロバイダー間でサービスへの加入状況などを取得できるようなシステムを想定しているという。