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スマートモビリティで丸の内エリアを観光、ドコモらが実証実験

左から、三菱地所設計 R&D推進室長 安田健一氏、三菱地所 街ブランド推進部 オープンイノベーション推進室長 佐野洋志氏、メイプル超合金(安藤なつ、カズレーザー)、NTTドコモ 第一法人営業部 部長 斎藤武氏、テムザック 代表取締役 高本陽一氏

 NTTドコモ、三菱地所、三菱地所設計、テムザックは、スマートモビリティ「RODEM」を用いた観光客向けサービスの実証実験を、東京・丸の内エリアの公道で行う。期間は3月18日~3月22日。

 一般の参加者も体験でき、料金は無料。18日は14時30分~17時、19日以降は10時~17時に先着順で参加を受け付ける。

 今回の実証実験では、丸の内仲通り周辺の歩道を自由回遊、またはツアー形式で走行できる。単なる移動手段としてではなく、丸の内エリアの歴史や観光スポットの案内、「丸の内ストリートギャラリー」の展示物の解説などをAR(拡張現実)や音声で行う。

 ARによる案内を行うメリットとして、景観に配慮した看板掲示制限などのある観光地でも周囲の情報を十分に提供できる。また、観光スポット、歴史的建造物、あるいは「dグルメ」の情報をもとにした飲食店情報など、必要な情報だけを選択して見やすく表示できる利点もある。音声案内では、インバウンド対応のための多言語翻訳機能としてドコモの「はなして翻訳」が使われている。

 NTTドコモの斎藤氏は「モビリティの戦略は1つではない」と語り、都市部や過疎部、観光地など地域の特性に応じたモビリティサービスに取り組む考えを示した。今回の丸の内エリアでは自動車が入りにくいエリアでもスムーズに移動できる歩行者扱いのパーソナルモビリティを採用している。

 車両は、テムザックが街中における“ラストワンマイル”の移動手段として開発中の「RODEM」を使用する。RODEMは、屋内での移動にも適した小回りの効く小型モビリティ。ジョイスティックによる簡単な操作で移動できるほか、スマートフォンによる遠隔操作も可能。歩行者とほぼ同じ目線で風景を楽しめる。

 実証実験のための車両は、屋外走行のためのサスペンションや障害物を検知して自動で停止する距離センサーなどを追加した特別仕様。先述の観光案内や多言語翻訳機能のために、ハンドル部分にタブレット端末を搭載する。

RODEMに乗るカズレーザー

 発表会には、お笑いコンビ「メイプル超合金」の安藤なつ、カズレーザーも登場。RODEMに乗って登場したカズレーザーは、新感覚の乗り物の楽しさや、ゲームの操作のように簡単に移動できてしまう乗りやすさに驚きの表情を見せた。

 テムザックの高本氏によれば、元々は介護用として開発されていた車両で、開発や実験を行う中で乗って楽しい乗り物だという声が上がり、このような観光用途への応用に至ったという。また、将来的には自動運転や充電スポットへの自動帰還機能の実現を目指している。

 実験場所を提供する三菱地所も、都市デザインの観点から次世代モビリティへの取り組みに力を入れている。今回のRODEMを用いた試みは丸の内エリアを訪れる国内外からの観光客を対象としているが、同エリアに通勤するビジネスパーソン向けの試みもあり、2019年2月からはソフトバンクとトヨタの合弁会社であるMONETと共同で、アプリによる配車を行う「オンデマンド通勤シャトル」というMaaSの実証実験を行っている。