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ドコモ、9月の“5Gプレ商用サービス”を控え参画を呼びかけるイベント開催

9月からすぐに開始できる5Gソリューションを多数用意

 NTTドコモは、2019年9月から開始する5Gのプレ商用サービスを前に、具体的・本格的なソリューションを紹介して参画を呼びかけるキックオフイベント「5G BUSINESS CAMP IN TOKYO」を開催した。

「5G BUSINESS CAMP IN TOKYO」
NTTドコモ 代表取締役社長の吉澤和弘氏

 オープニングスピーチに登壇したNTTドコモ 代表取締役社長の吉澤和弘氏は、「アイデアベースのものから、すでに検証が済んでいるソリューションもある。すぐにでも利用したいという方は、ぜひ手を挙げていただきたい」と参画を呼びかけたほか、こうした5Gが気になっている企業・団体をより広範にカバーできるよう、組織の新設も発表。会場においては、用意されたアンケート用紙に関心のある分野を選んで提出するだけで、ドコモの支援部隊が駆けつけて提案を行っていくとし、本気で事例の拡大に取り組んでいく体制を構築している。

 5Gのロードマップについては、すでに発表済みの内容から変更はなく、2019年9月にプレ商用サービスを開始、2020年春に商用サービスを開始する予定。エリア展開は4Gまでとは異なり、社会課題の解決などでは地方からエリアを構築するケースもあるとする。

5Gは“非通信分野”を成長させる原動力

 吉澤氏は、モバイルのデバイスやサービスの進化には、ネットワークの進化が欠かせなかったと指摘、テクノロジー・半導体業界で有名な「ムーアの法則」を大幅に超える速度で進化してきたとし、モバイル業界全体の発展を支えてきたとする。

 一方、ドコモの事業は近年になって変化。根幹に通信事業を据えながらも、iモードで「プラットフォーム」を提供し、dマーケットなど非通信分野の「サービス」を提供する事業者にもなった。ただし、今後の5Gの世界では対象となる分野・産業が圧倒的に拡大することを背景に、「ドコモだけでは何もできない」ともしており、“協創”で新しい価値を作っていくことがドコモの成長戦略であるとした。またこのことから、「非通信分野を成長させる大きなドライバーが5Gだ」とも指摘、通信・非通信が融合しながら成長していく姿を示している。

アイデアから実用レベルまでさまざまな展示

 ドコモが5G関連で取り組んでいるパートナープログラムには、すでに2300以上の企業・団体・自治体が参画。147件のトライアルを実施しており、その中の50件以上の事例を今回のイベントで展示した。

 また展示内容は、アイデア段階のものから、実験段階のもの、検証を済ませ(LTEを含めた)ソリューションとして商用サービスに活用できるものまで、段階もさまざま。ドコモが提供するプラットフォームなども、プレ商用サービスの開始時点で「しっかりと使えるものになる」としている。吉澤社長は「初日からサービスやビジネスが始まっている、そういう状況を作る」と意気込んでいる。

 今回のイベントを開催した3月というタイミングは、プレ商用サービスの半年前という位置付けで、パートナーに今後半年で具体的な準備を進めてもらうためのタイミングだという。5Gで利用する周波数帯などの割当は4月に入ってから決まる見込みで、現時点では決定していないが、こちらも粛々と進めていく方針。