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ソフトバンク、「IoT×Pepper」でプログラミング教育の社会貢献プロジェクト
2019年1月24日 18:53
IoTチャレンジとは
「IoTチャレンジ」は、ソフトバンクグループが進めるプログラミング教育「Pepper社会貢献プログラム/同2」に参加する小中学校のうち、100校以上で実施される。正式提供に先立ち1年ほど前から、一部の学校で試験導入が進められてきた。
これまで同社が実施してきたプログラムでは、Pepperを使ってプログラミングを学べる形だった。「IoTチャレンジ」は、既存の活動の発展系と位置づけられており、たとえば、Pepperを動かしたり喋らせたりするために、論理的な思考でプログラミングを学んでいき、IoTチャレンジではセンサーで得た数値を活用していきながら、理数的な思考でプログラミングに挑む形になる。2021年ごろには、クラウドのAIに接続できるようにする考えだが、AIとの連携の内容について現時点では未定。
学校側からの評価は
IoTチャレンジで用いられる「micro:bit」は英国の小学校5~6年生全員に配布されるなど、世界的な実績があるIoTプログラミング教材。試験導入した玉川学園中等部理科主任の田原剛二郎氏は、micro:bitについて直感的に扱えるため、成功体験を得やすいと評価。光らせたり音を鳴らせたりするなどリアルな体験ができることも魅力的だという。
さらに田原氏は「Pepperには子供をひきつける力がある。これほどの教材はなかなかない。プログラミングでPepperが反応することを経験して、生活の身近なところでプログラミングが重要な存在になっていることを気づきやすいのではないか」と、子供にとってはスムーズにプログラミングを学べる環境と解説する。
IoTチャレンジでできること
教材の内容は現在、細部を検討中とのことだが、担当者であるソフトバンクの富澤美玲氏は、「プログラミング教育ツールはスクラッチ(Scratch)をベースにしたもので学ぶことになる」と解説。授業ではテーマを示し、実際にプログラミングをしてみて、うまくいったかどうか確認するという流れになる。
では、具体的にどんなプログラムを作っていくのか。24日の説明会では、一例として、学校へ登下校するタイミングや、遠隔地にある学校同士を結ぶといったシーンが示される。
たとえば登校の際には、micro:bitと赤外線センサーを用いて、児童が学校へ来たことを検知。最初に来た児童、次に来た児童と、それぞれの状況にあわせて異なるセリフを用意しておき、校内にいるPepperが「2番目の登校だね」などと児童へ話しかける、といった流れをプログラムできる。また遠隔地にある学校同士を結ぶ場合、北海道の小学校に設置されたIoTデバイスから、降雪状況を遠く離れた九州の学校にあるPepperが児童へ伝える、といったプログラムも可能だ。
micro:bit(マイクロビット)のキットはに、独自のWi-Fiモジュールキットを用意するほか、教師が生徒へ説明しやすいよう指導書を用意。さらにヘルプデスクも用意する。
ソフトバンクの事業方針にマッチした社会貢献
ソフトバンクCSR統括部の池田昌人統括部長氏は「ソフトバンクとソフトバンクグループでは、スマートロボット、IoT、AIを事業の軸にしている。今回はIoT向けの施策。IoTではあらゆる構造が変革すると言われているが、実際の生活でどう役立ち、活用できるのか、特に子供、若い層に理解を深めてもらい発展できるようにしていかねばならない」と説明する。
スマートロボットとして登場したPepperは、一般的に、商品や店頭・窓口での案内が主な用途だった。しかし、CSRを通じて実施した子供向けの教育プログラムでは、外国語で対応言語を増やすアイデアや、Pepperが体育を教えるアイデアなどが、小学生から発表された。池田氏は「大人では想像もしなかったPepperの使い方が過去のコンテストで発表されてきた。IoTでモノとモノを単純に繋ぐだけではなく、想像を超えた使い方が生まれると思う」と期待感を示す。
さらに「IoTチャレンジ」では、今後、学習成果を発表し、トップを競い合うコンテストも実施される。