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サンダーソフト、AI対応のIoT機器の開発を促進するBox型キット

Snapdragon搭載で各種AIライブラリ収録、個人開発者も購入可能

 サンダーソフトジャパンは、AI機能を活用したIoT機器を開発するためのプラットフォーム「Thundercomm TurboX SoM(System on Module)」と、カメラなどを装備したBox型のスターターキット「Thundercomm TurboX AI Kit」の提供を開始する。国内では、マクニカ ブリリアント テクノロジー カンパニーとアロー・エレクトロニクス・ジャパンが取り扱う。

Thundercomm TurboX AI Kit

 TurboXは、クアルコムのSnapdragonを搭載した開発プラットフォーム。SoMとしては、APQ8053Proプロセッサーを搭載した「TurboX S626」、APQ8096プロセッサーを搭載した「TurboX D820」、SDA845プロセッサーを搭載した「TurboX D845」と、MDM9206 LTEモデムを搭載した「TurboX S9206」が用意される。映像処理系のAIを活用したIoT機器を開発するデベロッパーに向けたシリーズと位置づけられている。

TurboX S626
TurboX D820
TurboX D845
TurboX S9206
TurboX S626 Development Kit
TurboX D845 Development Kit

 TurboX AI Kitについては、TurboX D845を内蔵し、800万画素カメラやマイク、スピーカーといったインターフェイスや、4K出力に対応したMicro HDMI端子、USB Type-C端子、USB 3.0端子(3ポート)、microSDカードスロット、有線LAN端子などを装備している。無線LANはIEEE802.11a/b/g/n/acに対応する。8GBのRAM、64GBのストレージを搭載しており、OSはAndroidとLinuxがサポートされる。大きさは45×91×118mmと手のひらサイズで、上部と下部には固定用の三脚穴も用意されている。

 同キットには、クアルコムのSnapdragon Neural Processing Engine(SNPE)やサンダーソフトのAIアルゴリズムライブラリ、ビジュアル開発環境の「AI Studio」などのソフトウェアがバンドルされ、さまざまな検証を速やかに行えるようになっている。

Thundercomm TurboX AI Kitによる顔認証のデモ
深度センサーで骨格の動きを検出するデモ
物体認識のデモ

 26日、都内で開催された発表会に登壇したサンダーソフトジャパン代表取締役社長 兼 北京本社VPの今井正徳氏によれば、今回発表された製品群は法人向けの機器となるが、大学などの研究機関や個人のデベロッパーにも販売していくという。価格については、各販売会社と相談するとしているが、「一番高いiPhoneよりは安くしたい」(今井氏)と表現し、個人のデベロッパーでも手が届く価格帯になる見込み。

 Thundercommは、サンダーソフトとクアルコムの合弁会社として設立されており、クアルコムのIoT戦略の中核を担う会社と位置付けられる。発表会にはクアルコムジャパン代表社長の須永順子氏も同席し、5G時代に向けてエッジデバイス上でのAIの重要性が高まっていることを説明。TurboXがその開発の一翼を担うことへの期待を示した。同氏によれば、今回提供されるSoMは、製品化にも耐え得る設計になっているという。

サンダーソフトジャパン代表取締役社長 兼 北京本社VPの今井正徳氏
クアルコムジャパン代表社長の須永順子氏