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ソニー、IoT向けに開発した独自LPWAネットワーク「ELTRES」
プレサービスを都内でスタート、パートナープログラムも発表
2018年9月28日 13:05
ソニーとソニーセミコンダクタソリューションズは、昨年4月に開発発表を行った独自のLPWA(Low Power Wide Area)ネットワーク技術をELTRES(エルトレス)と名付け、IoTネットワークサービスの商用化に向けたプレサービスを9月28日より提供する。
ELTRESは、両者が開発した独自のLPWAネットワーク技術で、空中線電力が20mWの特定小電力無線でありながら、見通しで100km以上の通信距離および時速100km以上の高速移動中でも通信できる特長を持つという。同規格は、欧州電気通信標準化機構(ETSI)において国際標準規格として公開されている。
9月28日より開始されるプレサービスでは、専用送信端末を使ってELTRESのIoTネットワークを利用できる。対象エリアは東京都内で、一部離島などを除く大半のエリアをカバーしているほか、隣接県の一部エリアでも利用可能という。
利用料は税別1000円、利用期間は最長で3カ月間、利用期間の終了後は端末の返却が必要。ELTRESの公式Webサイトにて法人限定で申込を受付している。
ELTRESの主な仕様は、接続方式がパブリック方式、周波数帯が923.6~928MHz、ペイロードは128bit、通信の暗号化に対応する。通信時にはGNSSを使用するため、GNSSの時刻情報が取得できない環境ではデータ送信が行えない。
デバイス仕様は、大きさが47×115×33.7(mm)、重さは130g以下。電源は単三電池2本でバッテリー寿命は約6日間。データ送信頻度は3分間隔。電源ON/OFF用のボタンを備え、アンテナは本体に内蔵している。GNSSセンサーを搭載し、GNSSデーターと電池残量を送信する。電源ONとGPS受信完了を示すLEDを内蔵する。
パートナープログラムも発表
プレサービスの提供にあわせて、ソリューションの提案やアプリケーション提供などのビジネス展開を検討する企業を対象にしたパートナープログラムも発表された。
パートナーのカテゴリーは、IoTデバイスの設計・製造を行う「端末パートナー」、ELTRES IoTネットワークを活用したソリューションの開発・構築・運用を行う「ソリューションパートナー」、連携可能なアプリケーション・プラットフォームを構築する「アプリケーションパートナー」、ソリューション・アプリケーションを販売する「チャネルパートナー」がある。
パートナープログラムの参入企業に対しては、ソニーネットワークが最新技術や市場動向などの情報を提供するほか、プロモーションやパートナー同士のビジネスマッチングもサポートするという。パートナープログラムの受付は、ELTRESの公式Webサイトで実施される予定。