ニュース

ドローンと5Gを活用した「日本酒造り」、KDDIらが実証実験

 KDDI、野村総合研究所(NRI)、会津アクティベートアソシエーションの3社は、5GやIoT、ドローンなどの最新技術を活用した日本酒造りの実証実験を会津若松市で開始した。

 同実験は、NRIが総務省から受託した郊外において高速データ伝送やIoTサービス等を支える次世代モバイルシステムの技術的条件等に関する調査検討」の一環として、自治体や地元農業・酒造関係者の協力を得て行う。「米作り」「酒造り」「配送」の各工程で効率化を図る。

 第1段階となる米作りでは、遠隔操作による長距離飛行が可能なKDDIの「スマートドローン」を用いて、稲の生育状況を把握しやすくする。さらに、画像解析技術と組み合わせることで収穫時期を予測する。

 酒造工程では、IoTセンサーによる記録を行うことでもろみの状態を可視化。従来、熟練した杜氏による暗黙知とされてきたノウハウの継承を目指す。同時に、5Gによる4K映像伝送で遠隔監視を可能にすることで、業務効率化を図る。

 完成した日本酒の出荷時には、バッテリー内蔵型のRFID温度ロガータグを同封。輸送中の温度をリアルタイムで管理することで、品質を維持しながら販売店に届ける。

 また、生産効率化のための遠隔監視の仕組みをプロモーションにも活かし、4K映像やVRコンテンツによる醸造工程の体験型PRの実施を計画している。

 会津若松市と各社は実証実験を通して、後継者不足による生産者の負荷の増加や、杜氏の引退に伴って醸造管理の知見が失われてしまうといった日本酒造りが直面している課題の解決、地場産業の活性化を目指す。