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ゲーム感覚でギターを練習できるアプリ「ギタトレ」、ドコモのAI技術を応用

 島村楽器は、ゲーム感覚でギターを練習できるアプリ「ギタトレ」をリリースした。NTTドコモが開発した音響認識技術が活用されている。

ギター教則界のカリスマと称される宮脇俊郎氏がデモ演奏
ギターを始めて1カ月というタレントの前野えま(ミラクルキャンディーベリー+)

 ギタトレは、ギターを購入したものの、ギター教室に通えない、教則本を見ても分からないといった入門者~中級者向けのギター練習アプリ。簡単なパワーコードからアドリブ演奏の基本までを、検定をクリアしながら習得していく。ギターチューナーや用語解説といった機能に加え、音楽コラボアプリ「nana」との連携機能も用意されている。

 アプリはiOS 9.0以上、Android 4.4以上に対応しており、最初の練習プログラムを含む基本機能は無料で利用できる。中級者向けのコンテンツは有料で、840円(税込)でアンロックキーを購入する必要がある。

 なお、同アプリは端末のマイクだけでも動作するが、利用にあたってはiRigシリーズのようなスマートフォン向けのギター入力インターフェイスの使用が推奨されている。

 ギターの音の判定にはNTTドコモが開発した音響認識技術が活用されている。NTTドコモ 執行役員 イノベーション統括部長の大野友義氏によれば、単音であれば判定は簡単だが、コード(和音)は複雑に周波数が重なりあうため、判定が難しい。ここにドコモのディープラーニング技術を用いることで、コードやリズムといった判定を行っているという。

 同氏は、「今回はスマートフォンの中でローカル処理をしており、マイクから入った音をリアルタイム処理するところが難しく、そこに注力した。低レイヤーのところにまで手を入れながらソフトウェアを開発した」と語る。

 今後についても、「5Gの時代になれば低遅延のネットワークが提供できるので、クラウドで処理できるような取り組みも行っていきたい。それによって高度な処理ができるようになり、今後もいろんな機能追加など、クラウドを使うメリットが出てくる」(大野氏)と述べ、こうした異業種とのコラボレーションに期待を寄せている。

 13日に都内で行われた発表会には、島村楽器 代表取締役社長の廣瀬利明氏が登壇。「ここ数年、インターネットでの楽器購入が拡大しているが、アフターフォローについて危惧している。楽器を思うように弾けるようになるには練習を重ねる必要があるが、何をどのように練習していいのか分からないまま挫折する人が多い。そうした人を救済したいと思い、ギタトレの開発プロジェクトを進めることにした。ギターを弾けるようになりたいと思っている中高生や、かつてギターに挫折した大人にも試していただきたい」と語る。

廣瀬利明氏、前野えま、宮脇俊郎氏、大野友義氏

 今回はギターを対象にしたアプリになっているが、同氏は「ギターが成功すれば、ウクレレにも挑戦したい」と述べており、スマートフォンでさまざまな楽器の習得できる時代がやってくるのかもしれない。