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なぜワイモバイルからシニアスマホ? 寺尾氏が背景を説明

 既報の通り、ソフトバンクとウィルコム沖縄は、ワイモバイル(Y!mobile)ブランドでシニア向けのスマートフォン「かんたんスマホ」を8月9日に発売する。

 8月1日には記者向けの発表会が開催され、ソフトバンク 常務執行役員 Y!mobile事業推進本部 本部長の寺尾洋幸氏が「かんたんスマホ」投入の背景などを語った。

「かんたんスマホ」

 ワイモバイルは過去に、Googleの「Nexus 6」をいち早く国内に投入する体制を整えるなど、先端ユーザー向けのラインナップが特徴だった。近年は「Android One」シリーズを積極的にラインナップし、iPhoneシリーズの取り扱いも開始するなど、ターゲットとなるユーザー層を拡大していた。

 ちょうど4周年という8月1日、同氏はワイモバイルの取り組みがまだ「道半ば」などとしながら、データ容量を増量する料金プランの改定やサービスの拡充を発表。ここで新しい端末として、主に60歳以上のシニア層を対象にした「かんたんスマホ」の投入が発表された。

 同氏は、総務省などの調査データとして、60歳以上におけるスマートフォンの所有率は45%に上っていることを紹介。また60歳以上の83%が「スマホは難しい」と感じているという調査結果や、ワイモバイルのコールセンターへの技術的な問い合わせも60代以上が最も多いという結果を示し、「誰にでも使えるスマホを」というコンセプトで今回の「かんたんスマホ」をラインナップしたことを語った。

「かんたんスマホ」を披露するソフトバンク 常務執行役員 Y!mobile事業推進本部 本部長の寺尾洋幸氏

 質疑応答の時間には、これまでのラインナップとのギャップからか、シニア層をカバーせずサポートコストを削減したほうが儲かるのではないか? という旨の質問も。寺尾氏はまず、「シニア層からの問い合わせが少なくなるような端末を作ればいい」という発想で、今回の端末を企画したことを説明。サポートコストを抑えながらシニア層への対応を図る端末であるとした。

 また、ワイモバイルの発足当初からの理念が「インターネットの生み出す楽しさ・便利さをみんなの手元に届けたい」であるとし、「インターネットの便利さを最も受益すべきなのは、これからはシニア層になる」という考え方を紹介。シニア層への対応は、避けては通れないという見方を示した。なお、現在のワイモバイルのユーザーの中で60歳以上は2割弱としていた。