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ソラコムからKDDI回線のIoT通信サービス、1日10円~

 ソラコム、KDDI、沖縄セルラーは、IoT向け回線サービス「SORACOM Air for セルラー plan-K」の提供を開始した。昨夏、KDDIに買収されたソラコムから初めてKDDIのLTE回線を使ったサービスが登場することになった。

ソラコムの玉川社長(左)とKDDIの原田ビジネスIoT企画部部長

 料金・費用は、事務手数料がSIM1枚につき1500円(税抜、以下同)、基本料が1日あたり10円(利用中断中は5円)、SMS通信料が1回3~30円(受信は無料)となる。また通信速度や利用する時間帯によって料金が異なり、最も安価な場合で32kbpsの上りが1MBあたり0.2円となる。音声通話は非対応。SIMカード1枚単位で購入できる。

料金体系

 KDDI ビジネスIoT企画部 部長の原田圭悟氏は、子会社化後のKDDIとソラコムでは、IoTをテーマにしたインキュベーションファンド「SORACOM IoT Fund Program」を始動していることを紹介。近く、投資先も開示される見通しと語る。

 ファンドに続く、両社の取り組みの第2弾となるのが今回発表された「SORACOM Air for セルラー plan-K」。これまでもKDDIでは、ソラコムと協力してIoT通信サービスを提供していたが、ブランド名が異なる形で、今回、「plan-K」に統一した。KDDI回線を使ってきたユーザーにとっては、利用できるオプションも、ソラコムが提供するものは全て利用できるようになる。

 ようやく正式に発表できることになった、と語るソラコム代表取締役社長の玉川憲氏。ソラコムにとっては、KDDIのLTE回線を使ったサービスを初めて提供することになる。ドコモ回線版との違いとして、KDDI回線版では初期費用が若干高いが、1日あたりの料金が安い。その料金には、SMSの料金も含まれる。

plan-Kplan-D
初期費用1500円データ通信のみ:901円
SMS付き:954円
日額利用料10円(SMS含む)データ通信のみ:10円
SMS付き:15円

 その一方で、使い勝手の面はほぼ同じ。たとえばWeb管理画面でも同じように管理・操作できる。たとえば閉域網にも、ドコモ回線、KDDI回線どちらからでもアクセスできる。ソラコムではIoT回線にプライベートIPを割り当てるゲートウェイサービスも用意しているが、そうしたサービスを利用すると、ドコモ回線・KDDI回線の区別なく、プライベートIP間でのやり取りもできるようになる。

 異なるキャリアの回線を用意することで、たとえばATMなど、堅牢な通信環境を求める場合、冗長性を担保できると玉川氏。ドコモ版は今後も併売する予定。KDDI子会社となったソラコムだが、ドコモからは回線の提供については特に何も言われておらず、引き続き提供する方針。

 グローバル向けサービスでは、顧客管理装置のHSSも完成しており、グローバルでさまざまなキャリアとの接続を進めている。これにより、米国、カナダ、イタリア、フランスなど23カ国から順次、LTE対応の回線サービスを提供していく。基本料金のボリュームディスカウントや、米国・カナダでの料金値下げもあわせて発表されている。