ニュース

Y!mobileの次の狙いは中学生、Android Oneと学割で

 ソフトバンクとウィルコム沖縄は、Y!mobile(ワイモバイル)ブランドで提供する2017~18年の冬春商戦向けモデルと、18歳以下を対象にした学割を発表した。

ソフトバンク Y!mobile事業推進本部 執行役員本部長の寺尾洋幸氏

 11月30日には都内で記者向けに発表会が開催され、ソフトバンク Y!mobile事業推進本部 執行役員本部長の寺尾洋幸氏が登壇して説明を行った。

 寺尾氏はこれまでのY!mobileの取り組みを振り返る中で、携帯電話・スマートフォンの“課題解決”として、S・M・Lという3種類だけの、分かりやすい料金にこだわったことを紹介。一方の端末については、iPhone SEやiPhone 6sの取り扱いを開始するなど、こちらは幅広い選択肢になるようラインナップを拡大させてきたことを語った。

 そうした端末ラインナップの拡充の中で、国内ではY!mobileが独自に取り組んできたのが「Android One」シリーズで、直近(2017年度上期)では販売数でも高い人気になっていることをBCNの調査データで示した。

 また、Y!mobileの取扱店舗の拡大などに伴い、Androidに精通したスタッフを認定する「Android Ambassador」の取り組みもGoogleと共同で進めており、2016年度は首都圏で約60名だったところが、現在は全国で約350名に拡大しており、2017年度末には全国で600名にまで増えることが紹介された。

Android One

 寺尾氏からは、この日発表されたAndroid Oneスマートフォン4機種のほか、タブレットやフィーチャーフォンが紹介された。

 発表会では、Android Oneスマートフォンが発表された後に、ゲストとして米GoogleでAndroid Oneを担当する、Director, Android Partner Programsのジョン・ゴールド氏が登場し、Android Oneの最新の取り組みについて語った。

 ゴールド氏は「Android Oneは、安心・最新・Googleが使いやすい、の3つがキーワードになったスマートフォン。簡単で使いやすく、純正UIでプリインストールは厳選され、ユーザーが使う領域が確保されている」と概要を紹介すると、「2017年はAndroid Oneにとって重要な年になった。ロゴを刷新し、Googleのロゴに使われているカラーを配置した。これは、GoogleのAndroid Oneに対する決意が表れている」と、ロゴに隠された意図も明らかにした。

 「日本では、HTC、シャープ、京セラの協力により、新しい端末を紹介できる。日本市場に特化して開発されているので、気に入ってもらえるのでは」とゴールド氏は新しいラインナップにも触れると、OSのバージョンや機能により高いセキュリティを確保していることや、Google アシスタントなどの最新の機能を使えること、Google フォトでは写真のバックアップ容量が無制限になっていることなど、Googleのサービスと連携するAndroid Oneの特徴をアピールした。

米GoogleでAndroid Oneを担当する、Director, Android Partner Programsのジョン・ゴールド氏が登壇

学割商戦は年末からスタート

 新モデルに続いて、「スマホデビューを応援したい」というテーマで紹介されたのは、比較的手頃な価格のAndroid Oneスマートフォンと両輪をなすことになる「学割」だ。

 2017年の春に中学生になった子供の4割が「スマホデビュー」をしたと紹介した寺尾氏は、3年前はこれが2割程度だったとし、「スマホデビューが低年齢化している」と指摘する。

 同社が継続して行っている調査で得られた気付きとして、親子の間でも、中学生のスマートフォンの購入や利用は前提になりつつあるとし、Android Oneスマホに「あんしんフィルター」をプリインストールで提供することや、保護者と子供の話し合いのきっかけを作る「スマホルールリスト」の配布といった取り組みに触れ、安心してスマホデビューできる機能やサービスが整っていることを紹介する。

ティーン雑誌「nicola」との取り組み

 各社の従来の「学割」は、春の入学シーズンをターゲットに提供が開始されていたが、前倒し傾向は年々強まっており、Y!mobileの今回の「タダ学割」は、12月から申し込めるようにした。

 寺尾氏は、12月から提供する理由について「親子のルールづくりや話し合いのきっかけになれば」と壇上では説明している。

 なお、「タダ学割」では、基本料が無料になる期間は契約から3カ月間だが、12月中に申し込めば最大4カ月間無料になるなど、学割ユーザーをより早い時期に獲得したいという姿勢が鮮明になっている。

学割の早期開始は話題性も重視、PHSからの移行は「順調」

 囲み取材にも応じた寺尾氏は、「学割」が12月から提供されることについて聞かれ、CMなどを一斉に放映することとあわせて、「Y!mobileを知ってもらうきっかけにしたい」という意味を含めていることや、「仮説は、先に開始すれば、きっと話題になるのではないかという(笑)。やってみて、反省します」と、社内の仮説に基づくものだとも明かしている。

囲み取材に応じる寺尾氏

 Y!mobileのモバイルWi-Fiルーターを解約してスマートフォンに移行する流れがあるのか、との問いに対しては、「直接は、見えていないところ。これまでは5GBとか7GBとかの(かつて中心だった)プランを補完する意味で使われていたのではないか。大手キャリアもプランの大容量化が進んでおり、残念ながら、少しニーズは下がってきている」と回答、モバイルWi-Fiルーターの市場全体も縮小し始めていると指摘した。

 SIMカードのみでY!mobileのサービスを提供しているユーザーの割合については「2~3割に向かっている」とし、「捉えづらい部分はあるが、差し替えて使う需要や、量販店のSIMフリー端末と組み合わせる使い方も進んでいるのではないか」と感触を語っている。

 Y!mobileブランドの事業の契約数は現在公表されておらず、さまざまな面で、この姿勢を疑問視する報道関係者は多い。囲み取材で聞かれた寺尾氏は、公表できないとした上で、「快調」としてきた理由については「対前年でも獲得数は伸びている、そういう意味では堅調に伸びている」とした。

 Y!mobileはPHS事業を継承していることもあり、PHSからの移行の進捗が聞かれた。寺尾氏は、「新規受付の停止はすでに案内している。かなりの割合でY!mobileやSoftBankに移行している。安定して移行が進んでいる。丁寧に案内しなければいけないという認識はあり、決して迷惑をかけないようにしていく。私自身がPHSを立ち上げてきた人間。サポートして、移行しやすい環境を整えていく」と方針を説明している。

学割で新CM

 発表会ではこのほか、「タダ学割」をアピールする新CM「双子ダンス部」篇が発表され、出演する桐谷美玲、斎藤 工が登場。出川哲朗はメッセージVTRで登場した。さらに「リズム縄跳び部」篇も発表、にゃんこスターの二人も登場した。

桐谷美玲と斎藤 工が新CM「双子ダンス部」篇のダンスを披露
出川哲朗はVTRで「タダ学割」をアピール
新CM「リズム縄跳び部」篇の発表では、テレビCM初出演というにゃんこスターの二人も登場した

Y!mobileオンラインストア
最新モデルの情報をチェック