ニュース

2.3倍の利用効率を実現、ドコモが「NOMA」対応チップ実験に成功

 NTTドコモは、5G時代に向けた新技術で、周波数の利用効率をアップできる「非直交多元接続方式(NOMA)」と、NOMAに必要な「マルチユーザ干渉キャンセル」(MUIC)を備えたチップセットを開発した。そのチップセットを現在のスマートフォンサイズの端末に搭載して実験したところ、これまでより最大2.3倍、周波数の利用効率が向上した。

2.3倍の利用効率を実現、ドコモが「NOMA」対応チップ実験に成功

 NOMAは、ユーザーがそれぞれ異なる場所にいることから、基地局から端末へ送る信号の電力をコントロールしつつ端末側で干渉を除去することで、一度に複数の端末へデータを送れるようにする技術。

 台湾工学技術研究院とMediaTek本社で、8月~10月にかけて行ったという実験では、基地局(3.5GHz帯)に4つのアンテナを備え、2つのアンテナを備えるスマートフォンサイズの端末3つを別々の場所に置いて、実際に電波を発射。従来技術と比べて、周波数利用効率(1Hzあたりのビットレート)が2.3倍に向上した。

2.3倍の利用効率を実現、ドコモが「NOMA」対応チップ実験に成功 dBは電波強度を示す。30dBの端末1のほうが基地局に近い
dBは電波強度を示す。30dBの端末1のほうが基地局に近い