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フリマアプリユーザーにもピッタリ? ドコモ「dリビング」で収納サービスの「トランク」が利用可能に

トランクの松崎社長(左)とドコモの大杉ファミリーコミュニケーション事業担当部長

 NTTドコモが提供するサービス「dリビング」(月額450円、税抜)で、収納サービス「trunk(トランク)」が利用できるようになった。dリビングユーザーは、トランクで通常月額500円かかる1箱分が追加料金なしで利用できる。サービス提供にあたり、トランクとドコモでは業務提携を締結した。

倉庫の空きをシェアするサービス、メルカリで活用する人も

 「トランク」は、普段利用しない物を段ボールに詰めて送付すると保管してくれるサービス。送付する際には、スマートフォンアプリから集荷を依頼できるほか、預けた物は1点1点撮影され、アプリからアルバムのように確認できる。この撮影作業は、違法物や、腐敗するようなものが送付されていないかチェックするためのプロセスも兼ねている。

トランクのアプリ
dリビングユーザーはdアカウントでログイン
3辺合計で160cm以下、20kgまで預けられる
他のトランクユーザーが出品中の物も見られる

 また預けた後は再び手元に戻したり、売ったり、譲ったりすることもできる。サービスを提供するトランク社では、自前の倉庫を持たず、他社の倉庫の空きをユーザー同士でシェアする、いわゆるシェアリングエコノミー型のサービスとして提供している。調達する倉庫は、高いセキュリティ機能を持ち、温度や湿度も一定に保たれる空間とのことだが、その場所などは明らかにされていない。ただ提携にあたり、ドコモもそうした物品の管理体制は評価したという。

 2017年2月のサービス開始以来、具体的な利用者数は非開示ながら、毎月、倍々でユーザー数が増えているとのこと。トランク社では4年で100万箱の利用を目指す中、ドコモとの提携ではずみをつけたい考え。

利用できる箱の大きさを示すトランクの松崎早人社長

 これまでの解約率は1%以下とのこと。トランク経由で物品を販売できる機能では、SNSなど他社サービスへ販売を告知できる仕組みもある。ユーザーのなかには、メルカリのようなフリーマーケットサービスで手元の品を販売する際、トランクに一度荷物を送る人もいるようだ。この際、トランク側で物品を撮影してくれること、送料(800円)はかかるものの梱包して指定先へ送付してくれることなど、ユーザー間取引の手間を軽減できるといったメリットが評価されている。

本業ではない「dリビング」でさらに差別化を

 1年前の2016年7月から提供されている「dリビング」では、ユーザーの自宅で役立つ、ベビーシッターやエアコンの清掃などを割安な価格で利用できる。

 NTTドコモライフサポートビジネス推進部ファミリーコミュニケーション事業の大杉俊明担当部長は、携帯電話事業という本業からは離れたサービスではなく、あえてITと距離を置いたサービスながら、ユーザーのニーズに対応する「dリビング」には、ある程度、他社との差別化要因になり得ると説明。ただ、そのサービス内容にはまだユーザーの困り事に対応できる余地がある、として、調査の中で目立ったニーズだった宅内の整理整頓に向けてトランク社と提携することにしたと語る。「ちょうど季節の変わり目。夏の衣料の収納に利用していただければ」と大杉氏。まずはdリビングのユーザー数拡充などから、追加料金なしでトランクのサービスを利用できるようにしたという。

 その一方で、今回はまず収納シェアリングでの提携ながら、中長期的な視点でもさらなる協力を検討中とのことで、今後のサービス拡充にも取り組む姿勢を見せる。同様の収納シェアリングサービスは他にもあるなかで、そうした中長期的な視点で対話できることがトランク社と提携した要因のひとつ、と大杉氏は語っていた。